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毎週月曜22時〜放映されている『カンブリア宮殿(テレビ東京系)』。

先週(4/13)のゲストは、『博多 一風堂』などの人気店を率いている
(株)力の源カンパニー社長の河原成美(かわはら・しげみ)さんだった。

その河原社長が、番組の中で次のような話をしていた。

「4人のレンガ職人がいた。
 職人Aは、レンガを置くことが自分の仕事だと言う。
 職人Bは、レンガを置いて壁を作るのが自分の仕事だと言う。
 職人Cは、レンガを置いて壁を作って教会を建てるのが自分の仕事だと言う。
 職人Dは、レンガを置いて壁を作って教会を建てることで、
 人の心を癒す空間を作るのが自分の仕事だと言う」

この話は、有名な『3人の石切り工』に類する話だろう。
 
河原氏は“目的意識”の大切さを訴えるためにこの話を引いたのだと思う。
事実、番組の中では、彼が現場の従業員に対して、
目的意識の大切さを熱っぽく語りかけるシーンが紹介されていた。

しかし実際問題、前記のたとえ話で言うところの、職人Dのような
目的意識を持っている組織人はどの程度いるのだろうか。
むしろ、職人Dは少数派であるという組織が多いのではなかろうか。

だからと言って私は、その組織が必ずしも悪い組織ではないと思う。

組織には、例えば、効率よくレンガを積むことに目的意識を置いて、
日々レンガ積みに精を出す職人Aのような人もいるだろうし、
どの職人にも負けない素晴らしい壁や素晴らしい教会を建てることに
目的意識を置いている職人Bや職人Cのような人もいるはずだ。
彼らは彼らの目的意識に従って、それぞれ良い仕事をするだろう。

組織にとって問題なのは、何の目的意識も持たずに仕事をする人である。

そのように考えてみると、組織の良し悪しの大部分を決めるのは、
やはり、その組織を率いるマネージャーであるという考えに至るのだ。

良いマネージャーとは(河原さんのように)、目的意識に乏しい部下に
向けて、目的意識を持つことの大切さを繰り返し訴え続けながら、
部下たちの色々な目的意識を束ねて、共通のゴール(例えば、人の心を
癒す空間を作る)に向かわせることができる人、ということになるのだろう。