中学校の修学旅行の行き先は京都・奈良方面でした。
一日だけ有志のグループで自由行動をする日程があって、
私たちのグループは、なぜか飛鳥方面に出かけました。
ちょっと大人びた(?)場所に出かけてみたかったのだと思います。

当時の記憶はほとんどありません。
けれども、蘇我馬子の墓と言われている石舞台や飛鳥寺で、
仲間達と楽しそうに笑っている写真が手元に残っています。

その飛鳥がこの国の中心であったとされる、今から1400年ほど前、
当時の蘇我入鹿や聖徳太子の姿を描いた小説を、恩師にいただきました。

4e02eb20.jpg

聖徳太子―日と影の王子(全四巻)」
 ※写真は「聖徳太子」
紅蓮の女王―小説 推古女帝

ともに、黒岩重吾さんの作品です。



歴史のお勉強とお札でしか馴染みのない聖徳太子や、
石舞台の蘇我馬子が、とても人間(男)くさく描かれています。
中でも、この二冊に登場する蘇我馬子はまさにフィクサー的存在。
善悪を超越した人間の底力を感じさせる魅力的な人物です。

古代への浪漫などと言うと笑われてしまいそうですが、
甘酸っぱい思い出と共に、二十ウン年ぶりに彼の地を訪れてみたいな、
と旅心もわいてきました。

ところで、和を以て尊しとする「十七条憲法」を制定したのは、
聖徳太子であると習った覚えがあります。
「聖徳太子」の解説で、それは疑わしいという評価が最近の通説である、
と書かれていました。

最近の子どもたちはどのように習っているのでしょう?
こと歴史に関しては、不変の知識など存在しないのですね。