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世間一般に言われるところの“官僚的”な組織の特徴の1つを
表現する言葉に、『訓練された無能』なるものがある。

組織論をあつかった文献などによれば、『訓練された無能』とは、
組織のメンバーが、組織内で“標準化”された仕組みや“規則”に対して
盲目的に従い、変化に対応できなくなった状態を指している。

このような状態が発生するのは、官僚組織に限らない。
“大企業病”などと呼ばれる状態に陥った民間企業においても、
『訓練された無能』は蔓延している。

もっとも学問的な見解では、“組織の官僚化”は、
組織が大規模になった場合に必要な仕組みとして位置づけられている。
『訓練された無能』は、この“組織の官僚化”の機能がマイナスに
働く場合に、出現するとされる。

マネジメント(=経営)とは、環境適応業である。
すなわちマネジメントには、変化に適応する力が求められると言って良い。
翻って、その企業に属する個々のメンバーが、変化に対応する力を失い、
『訓練された無能』状態に陥ってしまえば、経営状態が悪化する可能性は高い。

ますます変化が激しくなっている昨今の経済環境。
『訓練された無能』が散見される企業は、早晩顧客に見捨てられる。
そのような企業にはこの際、苦しい時をチャンスと捉え、
思い切った組織改革を断行されんことを期待したいものである。