「皆さんの職場では、
 ロープレ(ロールプレイング)を実施していますか?」

顧客接点活動に携わる者にとってロープレは欠かせないトレーニングである、
私は常々そう考えています。

ところが昨今、現場の第一線で活躍する営業マンですら、
職場でロープレを実施する機会が少なくなっているという話を聞きます。

理由はいくつか考えられます。
データ入力や提案書の作成など営業マンのPC作業量が増えていること、また、
同じ時間をかけるなら商品知識を深める勉強会を重視する傾向があることなど、
主に時間的な制約からロープレの機会が減少しているようです。

同じ職場の仲間達を前に、自分の営業を擬似的に実践するロープレは、
とても気恥ずかしく、ストレスを感じるものです。
私の経験から言っても、決して楽しいものではありません。

しかしロープレには、少なくとも二つの効用があります。

一つには、臨機応変の才を鍛えるトレーニングとなることが挙げられます。

頭で理解していることと、実際のお客様を前に“できる”こととは違います。
「なんで、あんなことを話してしまったんだろう・・・」
このような反省をしたことがない営業マンは、
よほどの才能に恵まれた一部の天才か、
思い上がった一部の手合いに限られるでしょう。

ロープレでトレーニングすることは、体で覚える効用があるのです。

もう一つ、ロープレには他人への共感力と指導力が鍛えられる効用があります。

ロープレの実施方法としてポピュラーなのは、
仲間のロープレに対して他のメンバーがコメントをするというものです。
岡目八目、自分のことは棚に上げても、他人の悪い点にはよく気がつくもの。
他人のロープレにケチはいくらでもつけられます。

しかし、同じ釜の飯を食う仲間に対してのコメントに配慮は欠かせません。
相手のプライドを傷つけないように、けれども、この点を改善すれば
もっと良くなる、というような発言をするようにします。

他人のロープレに対するコメントの上手な人は、リーダーとしても
有望な人であると言って良いでしょう。

万が一、他人への配慮を欠いたメンバーが多い職場であれば、
他人のロープレにコメントする際は必ず、良かった点と改善すべき点を
挙げるというルールを設けて実施するのが良いでしょう。

皆さんの組織でも、是非「定期的に」、ロープレを実施してみて下さい。