ユニゾンのENSEMBlog

「人と組織のマネジメント」にユニークな価値を提供し続ける企業
「株式会社ユニゾン」
マネジメント研修を事業のドメインに据える
同社の社長とスタッフたち(ときどき)とで綴るブログです。
頻度はそこそこ、中身は真面目にがモットーです。

組織文化

“売れないのが当たり前”の怖さ

【PR】『はじめての管理職100問100答』こちらから購入できます!【PR】

先日、馴染みのカーディラーの営業マネージャーと話す機会があった。

昨年秋口からの不況で、自動車の販売は相当に厳しいようだ。
ここ最近は、エコカー減税の効果で多少は持ち直しているものの、
「売れる車はエコカー減税対象車だけ」とぼやいていた。

そんな不況下にあって、彼には今、とても気になることがあるらしい。
彼が気にしているのは、彼の配下の若手セールスマンたち。

彼の言葉を借りると…

「若手、特に昨年・今年新卒で入社したセールスマンたちは、
 入社した頃から“売れないのが当たり前”になってしまっている。
 過去、車が売れた時代を知っている私たちからすれば、
 現在は非常に危機的な状況に陥っていると感じるのだが、
 彼らの言動からは、まったく危機感が感じられない。
 
 車が売れた時代を経験していないのだから仕方ないのかも?
 とは思うのだが、彼らとの意識のギャップをどうにも埋める
 ことができず、どうやって彼らを指導すれば良いかわからない…」
 
現在、多くの業界で国内市場は冷え込んでいる。
そのようなビジネス環境で、“売れないことが当たり前”
になりつつある営業組織が増えているのではないだろうか。

営業組織とは不思議なものである。
その組織を、目標を必ずやり遂げる“必達集団”にするのは
至難の業なれど、“未達集団”になるのは至って簡単なのだ。
その組織全体で、3ヶ月も続けて目標をクリアできない状態が
続けば、容易に“未達集団”ができあがってしまうものなのである。

事実、つい1年前までは“予実100%以外は数字にあらず”というような
“必達文化”を持っていた営業組織でさえ、3ヶ月続けて“目標未達”の
状態が続いてしまえば、ある営業マンが目標に対して90%達成しただけで、
周囲から賞賛されるような雰囲気になってしまった、などいうことがあるのだ。

げに人間集団とは易きに流れてしまうもの。
そして、この“易きに流れて”できあがった文化は容易には変わらない。

このご時世、営業組織を預かるマネージャーはまず、
自組織に“売れないのが当たり前”というような組織文化が
根づき始めていないかを注意深く観察してみる必要があるだろう。

コミュニケーションがないのも“組織文化”

【PR】『はじめての管理職100問100答』こちらから購入できます!【PR】

私たちの研修では『組織文化』を題材として取り上げることがある。

“組織文化”を私たちユニゾン流に定義すると、

『その組織に固有の文化であり、その組織に属している8割方の
 メンバーが共有している基本的な考え方や言動習慣のこと』となる。
 ※関連する過去記事も、併せてご覧下さい。
  『「横の統制」とリーダーの役割』

昨今研修において、この“組織文化”をテーマに議論をしていると、
次のような発言をする受講者(主に管理職)が目立つ。

「ウチは“組織文化”が育つほどコミュニケーションがありません…」

まさに、それこそが“組織文化”なのである。

本音の議論を交わすことなどない、それどころか、
お互いの関わり合いを極力避けるのがウチ(自組織)の流儀。
そんな“組織文化”を有する組織は間違いなく増えている。

このような組織文化は、決して好ましいことではない。
組織の業績(成果)が上がり続けている時ならまだしも、一旦、
下りに転じてしまえば、様々な問題が噴出してくるのである。

どのような人間関係においても、他人との関わり合いは、
一面では煩わしいものであり、不快なものでもある。
とりわけ、職場における人間関係は利害が絡むだけに面倒なもの。

できることならば、関わり合いを持ちたくない、
せいぜい、うわべだけの良好な雰囲気が作れればいい。
そう考える人の感情を、私も理解できないわけではない。

しかし、今のところ、そのような組織文化を有する組織が
業績(成果)を上げ続けている事例を私は知らない。
このような“組織文化”は早急に変えるべきであろう。

ASAP

【PR】『はじめての管理職100問100答』こちらから購入できます!【PR】

仕事柄、私たちは色々な組織にお邪魔します。

そうすると、その組織の中にいると気づかないであろう、
その組織に固有の考え方や習慣、価値観などが見えてきます。

以前、同じようなテーマで“言葉文化”を取り上げたことがありますが、
今回はその組織に固有の“時間文化”を取り上げてみようと思います。

“時間”にまつわる組織の文化は“言葉”と同様に、
組織によって大きく異なるものの1つであると感じています。
最も特徴的なのが、「すぐに」という言葉の持つ時間感覚。
これは、組織によって相当大きな開きがあるようです。

例えば、「すぐに」と言えば1時間以内という認識が幅を利かす組織もあれば、
1ヶ月以内であれば「すぐに」の範囲内であるという組織もあります。

また、同じ企業内でも、毎月毎月結果を求められる営業部隊と、
息の長いプロジェクトを担当する研究開発部門とでは、
「すぐに」の意味する時間感覚は異なるようです。

そして、そのような時間感覚の差は、
その組織の納期意識の差となって現れてきます。

仕事をする上でどの程度の納期を設定するかは、
ビジネスを勝ち抜く上における非常に重要なファクターです。
できるだけ前倒して設定できているのか、
最終成果を評価する納期の前に第一結論を出す“プロセスの納期”
が設定できているかどうか…そんなところで組織の優劣が決まります。

多くの組織とお付き合いをさせていただく中で痛感するのは、
納期をより短く設定する組織、より詳細に設定する組織が、
ビジネスにおいては大方の場合勝利するという原理原則です。

そうなると、この「すぐに」の時間感覚は、
組織文化を客観視する有用なものさしになるはずです。

『ウチの「すぐに」はどれくらいだろう?
 そう言えば、部下に「すぐに提出しろ」といった企画書案が、
 1週間も出てきてないなぁ…』

これではマズイかもしれません。
ユニゾンの書籍


『はじめての管理職100問100答』

(株)ユニゾン 堤幸政/河村亜紀 著

明日香出版社

QRコード
QRコード
最近のコメント
twitter