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前回のジャブ・クロージングに引き続いて、
今回も営業マンのクロージングに関して。

世の中には、お客様に「買って下さい!」などとクロージングを迫ってはならない、
という教育を受けている営業マンがいる。
その多くは、一般消費者を対象に訪問販売をかける営業マンである。

企業のコンプライアンス違反に対する世間の目が厳しさを増す昨今、
特定商取引法(いわゆる訪問販売法)に抵触しないよう自衛措置を講じる
企業が増えている。無論“詐欺まがい”“押し売り”に類する営業活動に対しては、
厳しい姿勢で臨むべきであろう。

しかし先日、この(クロージングをしてはならないという)傾向がすべての
営業マンに浸透してしまうのではないか?という危惧を抱くような話を聞いた。

営業研修のご提案にお邪魔したとある販売会社で、
「今後、営業マンに注文書を持ち歩かせてはならない」という方針が
打ち出されたと言うのだ。ちなみに、この会社のお客様はすべて法人である。

詳しくお話を伺ってみると、来年施行が予定されている
“日本版SOX(内部統制)法”を見越しての動きとのこと。
つまり、営業マンがお客様に対してきちんと説明責任を果たしているか?、
見積書を提出しているか?、提案の内容をお客様は理解しているか?などの
営業プロセスを、会社としてしっかりと残していかなければならなくなってくる
らしいのだ。注文書を持ち歩かせないのは、空売りを防止する意味もある。

時代の要請としては十分理解できる。
けれども「今すぐ欲しい!」と言っているお客様に対して、
「説明が終わってないのでまだ買わないで下さい!」などと営業マンが
言わなければならなくなるとしたら、いささか滑稽な話ではある。