研修によっては、講師がギャグを発することがある。

聞いている方が恥ずかしくなるようなものから、
受講者に苦笑くらいはしていただけるもの、
少し気の利いたものまで、多岐にわたって繰り出す。
いずれにしても、いわゆる“おやじギャグ”という範疇のものである。

では、なぜ“うけない”ことが分かっているのに、
そんな哀しいおやじギャグを発するのか…。

それは、研修にとって必要なものだからである。

人は論理的に理解したものを、その時点では会得したつもりになる。
しかし、それは忘却も早い。
整理された情報や理論が消化の良い食事だとすると、
おやじギャグはのどに引っかかった魚の小骨みたいなものである。

仕事をしているとある日突然、くだらないおやじギャグとともに、
講師の言葉がよみがえってくることがある。その時こそ、
そのおやじギャグに込められたメッセージを体得したという瞬間である。

私も、この仕事を始めてから幾度か、
「あ、そういうことか!」という瞬間を経験することができた。

おやじギャグ、捨てたものじゃない。
ただ、あまりに笑えないものは、
受講されてる方がつっこんでくださるとありがたい。