あるフランチャイズの飲食店で、暇そうな店員さんに
「すみません。このお皿下げてもらえますか?」
と空いた食器類を指して言った。
するとその定員さんは、
「最後にまとめて片付けるので、置いておいてください。」
という一言を残して、厨房の中に消えてしまった。

また違う店で、空調が直接あたり、寒かったため、
席を移動させて欲しいとお願いしたところ、
「ご注文がお席に登録されており、料理が運べなくなるので
移動はできません。」と言われてしまった。

なぜこのようなことがサービス業でおこるのだろうか。
特に個人経営の店以外でおこることが多い。

それは、「サービス」「顧客満足」「心配り」などの言葉を使って行動規範などを
作ったことで、理念を持って教育できているような錯覚に陥いた場合に
起こりやすい失敗ではなかろうか?

上記のような漠然とした言葉は人によって定義が異なり、
定義をした上で使用しない限り、受け取り方は人によって違ってしまう。
逆により具体的なオペレーションの方が優先され、先述した
機械のようなサービスしか受けられない事態に陥ってしまう。

その組織の理念などは、その言葉の一つ一つが何を意味するのか、
具体的に理解するまで伝えてこそ活きてくるのである。

言葉は概念である。
言葉の意味を伝えるということは、概念を共有するということである。