ユニゾンのENSEMBlog

「人と組織のマネジメント」にユニークな価値を提供し続ける企業
「株式会社ユニゾン」
マネジメント研修を事業のドメインに据える
同社の社長とスタッフたち(ときどき)とで綴るブログです。
頻度はそこそこ、中身は真面目にがモットーです。

我慢

あの手この手

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業績の落ち込みが著しい企業、特に大企業では、
あの手この手の経費削減策が実施に移されているようだ。

その取り組みは、3K・4Kの削減だけには留まらない。
(3K・4Kについては、過去記事をご覧下さい)
それは今や、従業員の生活に直接的に影響を及ぼす範囲に
まで広がってきていると聞く。

中でもインパクトが大きいのは残業代の削減だ。
ある企業では残業をさせない方針を出しているだけではなく、
時間外労働の手当を法定基準ギリギリまで引き下げたらしい。

残業代が生活給の一部となっている労働者は少なくない。
これが軒並みカットされてしまうと生活が立ちゆかなくなる、
そう嘆く知人が私の身近にもいる。

従業員への直接的な影響は、残業代の削減だけではない。
福利厚生にかかわる経費削減策も百花繚乱?だ。

財形(勤労者財産形成制度)や持株会の奨励金を凍結した企業、
職場で購読している新聞や雑誌の購読を中止させた企業、
職場に設置している自動販売機の商品を値上げした企業、
社員食堂の営業時間を大幅に短縮した企業などなど…、
私が知る限りでも枚挙にいとまがない。

先日も友人から、フレックス制度が凍結されるという話を聞いた。
友人によれば、事業所の光熱費削減が主たる目的であると言う。
その友人はフレックス制度に頼り切った会社生活を送っており、
この制度が凍結されることに対して相当な危惧を抱いていた。

このような話を聞くにつけ、今、多くの企業が置かれている
生半でない厳しい現状をあらためて思い知らされると同時に、
こんなに世知辛い職場環境で働く従業員たちは、果たして、
前向きな仕事をすることができるのだろうか?という疑問を持つ。

このような企業のトップには、従業員に我慢を強いるだけではなく、
是非、従業員に対して明るい展望を語って欲しいものだ。

日本の我慢強さとモノづくり

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日本の“モノづくり”の強さの要因の1つは“我慢”強さに
あるのではないでしょうか?

モノづくりをしているある日本企業が行ったM&Aに対して、米国人メディアが、
1年経って成果が出ていないことを『M&A失敗』と結論づけたことがあるそうです。

その会社の経営者は、そのことに対する見解を求められ、
「失敗なんてとんでもない。中長期の成果に向けて着実に進んでいる」
とお答えになったそうです。

企業経営者に、1年毎の成果が求められるのは間違いありません。
1年での成果が出ていないと判断されれば、米国などでは、
即CEOが交代するというような話を聞きますし、
M&Aをして1年で成果が出なければ買収は失敗だったなどと言われるようです。

しかし日本企業の持つ文化としては、将来への期待が大きければ、
拙速に判断せず、我慢強く待つという選択肢を選ぶことも少なくありません。
良い悪いは別としても、そのような判断を行うために必要なことは、
責任を負う経営者の我慢強さに他ならないと思います。

マラソンのサムエル・ワンジル選手(北京オリンピック金メダリスト)が、
日本で学んだこととして“我慢”をあげていました。

長期的な成果を見据えた経営ができる“我慢強さ”。
これこそ、日本が誇るべき底力だと私は思っています。
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(株)ユニゾン 堤幸政/河村亜紀 著

明日香出版社

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