部下からの報告は早いほうが良い。
また、良い報告よりも悪い報告を早く知らせて欲しい。
大半の管理職はそう思っているはずです。

ところが、悪い報告はなかなか上がってきてくれません。

「申し訳ないのですが・・・」
おずおずと部下が報告をする頃には、問題が火を噴いてしまっている。
すぐにでも、全力で消火作業に注力しなければならない。

「どうしてもっと早く報告しないんだ!」
部下を怒鳴りつけたくなったことのある管理職は少なくないでしょう。

もちろん、部下の立場からすれば悪い報告はしたくない。
上司に知られないうちに火を消してしまいたい。その心情は理解できます。
しかし、問題を抱え込んでいるうちに火の手がまわってしまうことが多いのです。

ですから、部下は黄色信号が点った段階で素早く上司に報告すべきですし、
上司は部下からそのような報告があった際に嫌な顔をしない、
間違っても怒鳴りつけたりしないことが大切です。

また最近では、メールで上司へ報告するということも多いでしょう。
メールは大変便利なツールです。けれども、
悪い報告を上司から見えづらくしてしまう弊害もあります。

部下は無意識に、持てる限りの作文能力を駆使して、
悪い報告の悪さ度合いを薄めてしまう。
忙しい上司であれば、全てのメールを注意深く読み込むことなど不可能です。
お互いに悪意がなくても、結果的に危険な兆候を見逃してしまうのです。

先日、ある部長さんが、
「私は、悪い報告にはメールを使うなと指示しています」
とおっしゃっていました。私も同感です。

「体調不良で休ませてください」
「電車が遅れて遅刻します」

そんな連絡が部下からメールで入る。
管理職がそれを認めているような組織はかなり危険な状態です。