【PR】『はじめての管理職100問100答』こちらから購入できます!【PR】

メールやスケジューラなど、
ITネットワークを介したコミュニケーションツールが、
広く利用され始めたのはいつ頃からであったのだろう。
私がこれらのツールに初めて触れたのは今から12年ほど前、
ソフトウェアメーカーに転職した時であった。

バブル崩壊後の景気低迷期であった当時は、
職場でのコミュニケーションに費やす時間が“ムダ”である
という雰囲気がどの職場にもあったような気がする。事実、
これらのツールを利用することで「ホワイトカラーの生産性が
グッと高まります!」などいうセールストークもあった。
 
これらのツールを利用していない職場は少ないであろう現在、
ITネットワークに頼ったコミュニケーションの弊害を問題視する
企業が増えている。職場に無味乾燥なコミュニケーションが蔓延して
“人 対 人”のつながりが希薄になり、組織力の低下を招いている
というのが代表的な見解であろう。

実際にこのような話を聞くにつけ、
これらツールの利用用途が第二段階に入ったとの思いを強くする。
つまり、コミュニケーションにおける物理的なムダ(時間・距離)を
軽減することだけを求めるのではなく、コミュニケーション自体の
“質”と“量”を高める利用法を模索する段階に入ったと思うのだ。

ITネットワーク上でなされるコミュニケーションを、対面や電話で
なされるコミュニケーションの代替と捉えるのではなく、職場で
やり取りされるコミュニケーションの総量を増やすためのツール、
あるいはプラスαの価値を生み出すためのツールと捉えることで、
組織を活性化しようとする試みが始まっている。

ツールは、文字通り“道具”に過ぎない。
道具に使われない働き方をしたいものでもある。