先日の NHKスペシャルで、
シアトル・マリナーズ 城島健司捕手を取り上げていた。

日本人キャッチャーとして初めてメジャーリーグに挑戦した城島。
打撃では一年目の松井選手を上回る好成績を収めたものの、
その一年は、試練に満ちたものだったようだ。

城島が特に苦しんだのが、配球に対する日米の価値観の違いである。
日本ではキャッチャーがピッチャーをリードして配球を決める。
しかし、アメリカではピッチャーが配球を決める常識があるらしい。

配球には絶対の自信を持つ城島だが、
開幕当初からピッチャーは、彼の出すサインに首を縦には振らない。

番組では、試行錯誤を重ねる城島の姿を追っていた。
そして、城島がチームに受け入れられるようになるまでの課程で、
私の印象に強く焼き付いた彼の姿がある。

まず、ピッチャーと正面から向き合って対話を重ねる姿。
「なぜ、あの時のサインを受け入れてくれなかったのか?」
納得がいくまで話し合う。そのときの姿勢が、また素晴らしい。
「僕はわからないから教えてほしい」とねばり強く対話を仕掛けたそうだ。

次に、勉強を怠らない姿。自分が出ていない試合や、
過去の試合をビデオで見て、配球を熱心に研究する姿には脱帽した。

さらに、勝利に対する執念、これを示し続ける姿が挙げられる。
ランナーに跳ね飛ばされながらもホームを守った(得点を与えなかった)後から、
チームメイトたちの城島に対する態度が変化してくる。

そして、私が最も感銘を受けたのは、
変化を受け入れながらも自分の信念は貫き通す彼の姿である。

シーズンも中盤を迎える頃から、城島のリードは進化する。
ピッチャーのプライドに配慮した配球を受け入れつつも、
ここぞという場面で自分の信念は曲げないのである。

これらはいずれも、優秀なビジネスリーダーにも通じる姿である。
きっと、城島は監督になっても超一流となるだろう。
すごいぞ!ジョー。