ユニゾンのENSEMBlog

「人と組織のマネジメント」にユニークな価値を提供し続ける企業
「株式会社ユニゾン」
マネジメント研修を事業のドメインに据える
同社の社長とスタッフたち(ときどき)とで綴るブログです。
頻度はそこそこ、中身は真面目にがモットーです。

二代目

世襲の問題

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某国の跡取りや政治家の間で“世襲問題”が取りざたされている。
この問題は、何も雲の上の話ばかりには留まらない。

国内における中小企業の比率は 99%以上だと言われている。
そして、その過半が同族経営を行っていることから考えても、
トップの“世襲”は極めて身近な問題と言ってしまって良い。
かく言う私も、ユニゾンの経営を“世襲”した二代目経営者である。

民間企業の世襲問題で言えば、世襲を決める側と認める側、
すなわち、現在の経営者と彼(彼女)のもとで働く現在の従業員の
視点で、主に否定的な論調で論じられることが多い気がする。
「あの息子に社長業が務まるだろうか…」というような話である。

反面、世襲される側の視点に立ったトピックは驚くほど少ない。
微妙な立場に立った彼らの不安感や孤独感、親に対する複雑な思い、
自分に対して覚悟を決めきれるかどうかの葛藤…
世襲される側にも相応の(彼らにとっては切実な)悩みがある。

そんな世襲経営者たちが抱えている最大の悩みは、
“親との関係”もっと言ってしまえば“親との確執”であるらしい。

息子:オヤジのやり方はもう古いんだよ!
父親:経験の少ないお前に何がわかる!

こんなドラマの中に登場する架空の同族企業で繰り広げられるような
親子間の確執は、実際に存在するあまたの同族企業内で起こっている。

さりながら幸か不幸か、私には父親との確執がほとんどなかった。
もちろん、私も入社したばかりの頃はそうではなかった。
この会社で目につくもの、耳にするもの、触れられるものすべて
(当時はこれらがすべて=父親のやり方そのものに思えたものだ)
に対して、疑問や不満や反発を覚えていたように記憶している。

けれども、そんな時期は長くは続かなかった。5年ほど前に、
社員の半数が一気に退社するという予期せぬ事態が発生して、
父親も私もお互いの想いを云々できる状態になくなったのだ。

そう考えると、私にも父親との確執がなかったとは言い切れない。
確執を感じる余裕がお互いになかったと言うのが適切かもしれない。
ともかくも、それから数年間は、お互いがしっかりとタッグを組んで
経営に当たらなければならない状態が続いた。

結果的には、お互いが必死になって経営に対峙したこの過程で、
親子が一緒に仕事をする上での距離感や、お互いへの接し方を、
父親も私も学んだのだろうと思う。

しかし、私が学んだことをハウツー的に整理してみると、

・他人の前では父親を立てること
・父親が認めざるを得ない成果を出すこと
・信頼できる自分の右腕をつくること

というような誰もが容易に想像がつく程度のことしか出てこない。

それでも父親と仕事をする上で何が最も大切か?
とさらに問われれば、私はもっと当たり前のことしか言えない。
それは、彼に対する感謝の気持ちを態度で示すことだけである。

息子と仕事をする上で何が最も大切なのか?
幸いなことに、私の父親でもあるユニゾンの先代は健在である。
今度、彼にも聞いてみようと思う。

父親の仕事

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まずは 10日ぶり!のエントリーとなってしまいましたこと、
当ブログにお越しの皆さまに深くお詫びを申し上げます。

久々のエントリーは、サボタージュの言い訳にかこつけて…。

正確には色々な経緯があるものの、私は 2代目社長である。
父親からこのユニゾンという会社の“経営”を引き継いだわけだが、
もう1つ、父親から引き継がなければならなかったものがある。

それは父親のプレイヤー業である“研修講師の仕事”である。

息子の目から見れば、私の父親はユニゾンの経営者である以上に、
ユニゾンの本業を支えている看板講師であった。

私がユニゾンに転職した当初は、この仕事に魅力を感じられず、
“新しい事業を興したい”などいう青臭い想いが強かったため、
自らが講師という仕事をすることに対して激しい抵抗感があった。

しかし、世の中そんなに甘いものではない。
私が入社して1年も経たない時期に、ベテランの講師が相次いで
この会社を去り、本業の存続すら危ぶまれる状況になった。

これは今だから言えることだが、当時の苦境がなかったら、
私は社長業を引き継ぐ覚悟を固めることはできなかっただろうし、
自らがユニゾンの看板講師となろうという決意もできなかったと思う。
もっと言ってしまえば、ユニゾンの経営を存続させるためには、
自らが売れっ子の講師にならなければならなかったのだ。

以来、父親を含めた先達に師事して“講師という仕事”を
学びながら、自らも研修講師としての場数を踏んできた。
ここ数年は、お客様から名指しでご指名いただく機会も増え、
この仕事で身を立てていくことに確信が持てるようにもなった。

しかしながら、まだ越えきれていない壁もある。
それは、ユニゾン創業以来ずっと、プレイヤーとしての
父親の仕事に信頼を寄せて下さっているお客様企業からの、
研修講師としての私に対する信頼の引き継ぎである。

先代は元気に講師業を続けてはいるものの、
次代の経営を確固たるものとしていくためには、いつまでも
彼に“看板講師”としての仕事をさせるわけにはいかない。

従って、3年前から彼の講師としての仕事を私が担当することで、
ほぼ順調に先代のプレイヤー業を引き継いでこられている。
それでも、「どうしても堤先生(先代)にお願いしたい!」
というお客様もいらっしゃって、そのようなお客様に対しては、
無理に他の講師(主に私)をお薦めすることはしないできた。

だが、先代も今年で72歳。
この2月に彼が非常勤顧問に就任したことを機に、前記のような
お客様に対しても、講師としての私を積極的に提案している。

そしてこの2週間、先代の看板研修を私が講師として引き継ぐ、
という複数の大仕事が立て込んでしまった…、
というエントリーをサボタージュした長い長い言い訳である。

さて、それらの大仕事の成否はお客様がお決めになるものとして、
私自身は、父親のプレイヤー業を自らの仕事としたことによって、
余人があまり味わうことのないであろう仕事の厳しさと面白さを、
今まで以上に感じることができた貴重な経験となった。
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(株)ユニゾン 堤幸政/河村亜紀 著

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