昨今では、年上の部下を預かる管理職は珍しくありません。
しかし、そのことで悩みを抱えている管理職は少なくないようです。

彼らの多くは、
年上の部下の「感情的な抵抗」にどのように対処すべきかで苦慮しています。
少し詳しく見てみると、実際に感情的な抵抗に直面しているケースと、
感情的な抵抗を恐れて遠慮してしまっているケースの二つに大別できます。
いずれも、上司と部下の間に密接なコミュニケーションが成立することで
悩みが解消されることがあります。

ここでは、そのために欠かせない管理職としての意識と、
関係構築のきっかけとなる話法をご紹介いたしましょう。

まず、「管理職=偉い人」ではない、という意識を持っておくことが大切です。
年上の部下に対して、よく「私の言うことを聞いてくれない」という話を聞きます。
そのような管理職には、意識的ではないにしろ、
「部下は上司の言うことを聞くものだ」という姿勢が見え隠れしています。

管理職とは、預かった組織の責任を果たす役割を持った人のことです。
責任を果たすためには、部下たちの協力が欠かせません。
その意識を根底に据えておく必要があるでしょう。

その上で、彼らが持つ(かもしれない)感情的な抵抗感を払拭することが求められます。
ポイントは、年上の部下に対して“遠慮”するのではではなく、
“配慮”するということです。配慮とは、
「あなたの経験やキャリア、技能を敬っています」という気持ちを言動で示すことです。

そして、密接なコミュニケーションを成立させるために、
管理職の側から関係構築の“きっかけ”をつくることが重要です。
きっかけづくりには、次のような話法が効果的です。

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 (例)「このたび、期せずして○○さんの上司という立場になりました」

∪嫻い魄き受けたこと、その責任を果たす熱い想いを伝える
 (例)「至らぬ点も多いのですが、
     今期××億円の目標達成を引き受けた以上、何としても
     この数字をやり遂げたい。そのために全力を尽くします」

責任を果たすために協力依頼を申し出る
 (例)「○○さんのお力添えがなければ、この数字は達成できません。
     ついては、○○さんのご協力をいただけないでしょうか」

組織の成果を上げるために、
自分(年上の部下)は欠くことのできない存在であるという動機付けを図ることが、
この話法でのポイントです。

彼らが持つ力を存分に発揮させることができるかどうか。
それは、管理職の心構え、部下個人への配慮、そして対話の方法一つで
随分と変わってくるはずです。