ユニゾンのENSEMBlog

「人と組織のマネジメント」にユニークな価値を提供し続ける企業
「株式会社ユニゾン」
マネジメント研修を事業のドメインに据える
同社の社長とスタッフたち(ときどき)とで綴るブログです。
頻度はそこそこ、中身は真面目にがモットーです。

プロフェッショナル

使命という風が吹いたときに…

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NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀(3/10放映)』で、
北九州を中心にホームレスを支援する活動をしているNPOの代表、
奥田知志さんが「プロフェッショナルとは?」という問いに対して、
次のように答えていた。

「 使命という風が吹いたときに、
 それに身を委ねることができる人だと思います。
 そして、そのときに、自分の思いとか考えとか、都合とか、
 好き嫌いというものをやっぱり一部断念することができる人。
 それがプロだというふうに考えてます。」


「今の仕事が自分の使命だ!」
と言い切れる人はどれ程いるのだろう。

「今の仕事は私のやりたい仕事とは違う…」
と漠然とした不満を抱きながら、いつも『自分に合う仕事』を
探している人の方が多いのではなかろうか。

けれども、奥田さんが語ったこの言葉を噛みしめてみると、
その人の使命などというものは、風に乗って既に多くの人の元に
運ばれているのではないか、とも思えるようになる。
人はそのことに気づかずにいるだけなのではなかろうか…と。

そうだとするならば、なにゆえ人はそのことに気づかないのか。
私は、奥田さんの言葉の後段にその理由が隠れているように思う。

奥田さんは、その人の使命が風に吹かれて運ばれてきたら、
自分自身のエゴを一部断念する必要がある、と語っておられたが、
実は、これは逆説的にそうおっしゃったのではないだろうか。

つまり多くの人は、自分の思いとか考えとか、都合とか、好き嫌い
というものが邪魔をしてしまい、自らの使命を受け入れようとしない。
ここが気にくわない、あそこが自分に合わない、損得勘定が合わない…
などと様々な理由を見つけては、懸命に向き合うことを避けようとする。

奥田さんは「違うんだ」と言いたかったのかもしれない。
「あなたに与えられている今の仕事があなたの使命なんだよ!」
そう言いたかったのかもしれない、と私は思ったのだ。

番組で紹介されていたホームレスの支援という彼の仕事は、
まさに使命感なくしては到底務まらないであろうという厳しいものだった。
きっと、彼は彼の使命と向き合って、それを受け入れたのだろう。

使命という風は、自らが覚悟を決めたときに吹いてくる。
その風を、受動的にではなく能動的、かつ積極的に受け入れて、
その使命と格闘している人は、− その人のことをプロフェッショナルと
呼ぼうが呼ばまいが − 間違いなく人の心を打つ仕事をするのだろう。

今日の一言 〜 緒方貞子 『熱い心と、冷たい頭をもて』 〜

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本日で 2回目のエントリーとなる「今日の一言」
ご紹介するのは、元国連難民高等弁務官・緒方貞子さんの言葉。

『熱い心と、冷たい頭をもて』

この言葉は、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(5/27放送)で、
国連難民高等弁務官事務所 ウガンダ・リラ事務所長の高嶋由美子さんが、
緒方貞子さんの著書に見つけた言葉として紹介していた。

高嶋さんは大きな挫折に遭遇し、自分の無力感にさいなまれているときに
この言葉と出会って、新しい力を得たのだと言う。

“難民を助けたい”という思いだけでは現状を変えることはできない。
自分の思いを実現するためには、冷静な頭を持って様々な方法を考えるのも重要で、
ときには『現状より少しはマシ』という現実的な選択肢をチョイスする方が
難民のためになる、ということをこの言葉から学んだのだそうだ。

この言葉から“冷たい頭”の重要さに気づいたという高嶋さん、
私は逆に、この言葉から“熱い心”の大切さをあらためて気づかされた。

昨今のビジネス現場には“冷たい頭(理屈)”ばかりがまかり通って、
本来それを支えるべき“熱い心”が影を潜めてしまっている気がするのだが、
皆さんはいかが思われるであろうか。

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プロフェッショナルとは

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4月1日に放送されたNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』に、
ウェブデザイナーの中村勇吾氏が出演されていました。

番組の中で進行役の住吉アナウンサーが中村さんに、
「ウェブのデザインを、最終的に“これだ!”と決定する
 “決め手”はなんですか?」という質問をしていました。

この質問に対して中村さんは、
「そのこと(ウェブのデザイン)に対して一番悩み、
 考え尽くしたのは自分だ!という自信でしょうか…」と
お答えになっていました。中村さんは極めて遠慮深そうに
発言していましたが、正に我が意を得たりというお答えでした。

世の中にプロフェッショナルと認知される職業はどれだけあるでしょうか?
例えば、医師や弁護士、公認会計士、中小企業診断士、社会保険労務士など、
国家資格の取得が必要な職業は、世間からプロフェッショナルと認められる
ことが多いかもしれません。また特殊技能を有する職人や、特定の技術を
究めた技術者などが、プロフェッショナルと呼ばれるのかもしれません。

しかしほとんどの職業人は、そのような仕事に携わっているわけではありません。
それでも、その業界・その組織・その仕事においてプロフェッショナルと
呼ぶに相応しい職業人がたくさんいることも事実です。彼らに共通するのは、
中村さんが言うところの「自分の仕事に対して、自分が一番真剣に考えている」
という自信とプライドがあることではないでしょうか。

反面、この自信とプライドが過信と思い上がりにならないようにしなければ、
プロフェッショナルとは呼べないでしょう。自分が携わる仕事に対して、また
その仕事を評価してくださるお客様に対して、謙虚に向き合う姿勢を忘れない
ことも、プロフェッショナルには欠かせない要素だろうと思います。

不肖 unison2も、『人と組織のマネジメント』に関しては誰にも負けない位に
考えているという自負をモチベーションに、加えて、更なる高みを望むために
謙虚な心と態度を忘れることなく、プロフェッショナルと呼ばれるに相応しい
職業人を目指していきたいと思っています。

一専多能的スペシャリスト

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ゼネラリストよりスペシャリスト、
管理職となるより専門性を究めたスペシャリストを目指したい!
このような志向を持つ人材が企業の中では増えているようだ、
というトピックは当ブログでも度々触れてきた。

企業で働くビジネスマンが、
各々の専門領域でプロ意識を持って各自の仕事に取り組もうとする
傾向が高まっていること、それ自体は歓迎すべきことである。

ではあるが、自分のウデ一本で飯を食っていける正真正銘の職人ではない
“企業で働く職人気質のビジネスマン”が、自らの専門領域に閉じこもって、
専門領域外の能力を磨こうとしないとしたら…それは、いかがなものだろうか。

研修(特にいわゆる技術系と呼ばれる方を対象とした研修)において、
「私は○○(例えば、技術屋)なのでコミュニケーションは苦手なんです」
というような話を聞くことがある。ご本人の謙遜であることも多いものの、
稀に“専門外の能力は私には必要ない”と心底信じているような方に
出会うこともある。このような方と出会う度に、私は心配になってしまう。

一昔前(20年ほど前まで)であれば、そのような思考傾向を持っていた
としても、企業内スペシャリストとして通用したかもしれない。
しかし、現代は人材市場もグローバルな視点で捉えるべき時代である。

同じ程度の専門性を有する人材を世界的に求めるとするならば、
専門外の能力にも長けた人材がたやすく見つかるはずである。しかも、
わが国の身近には、豊かさを希求してやまないハングリーな人材の
宝庫とも呼べるアジアの国々が存在している。法的な問題(外国人労働者
の扱い)さえクリアされれば、多くの企業で働く“自称スペシャリスト”は、
揃って失業の憂き目にあうのではないか?と憂慮してしまうのだ。

スペシャリスト、
とりわけ企業で働くスペシャリストは“専門バカ”になってはならない。
コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、マネジメント能力や
リーダーシップなど、幅広い能力を高めていく必要がある、というのが
昨今私の持論である。

“一専多能(一つの専門性を究めるだけでなく幅広い能力を有すること)”
的なスペシャリストでなければ、生き残れないと考えているからである。

一意専心

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皆さんは、宮大工の修行をご存じでしょうか?

初めの数年間は、ただひたすらにカンナの刃を研ぐだけ。
外界の情報(TVや新聞)に一切触れることすら許されず、
ただただ刃を研ぎ続ける毎日を過ごすそうです。

この話は TVで放映されていたこともあるので、
ご存じの方も多いかと思います。

先日ある企業の経営者の方が、この話を引き合いに出して、
「昨今の企業人は、一つのことに集中して修行する時間が少なすぎるよね」
とおっしゃっていました。さらに加えて、「これでは日本のビジネス界に
“プロフェッショナル”が育たないのも当然だよね」とも。

そんな話を伺った翌日、競泳の北島康介選手が、
北京五輪への意気込みを「一意専心」と書かれた年賀状を
示しながら語っているニュースを目にした。“一意専心”とは
「わき目もふらず心を一つのことだけに注ぐこと」(大辞泉)。

職人やトップアスリートと単純に比較する訳にはいかないでしょうが、
“一意専心”修行に励む現代の企業人は極めて少ない気がします。
従業員に標準化された仕事をスピーディーにこなすことを求める
企業側の責任は大きいでしょう。

けれども、昨今は従業員の側も“企業に依存しない生き方”という
美辞麗句を鵜呑みにして、気にくわない仕事や会社であれば、即、
スピンアウトを考えるという傾向が強すぎるのでは?と感じるのです。
結果“プロフェッショナル”と呼べる人材が育たない。

北島選手のニュースを目にした日の晩、
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、ミシュランの三つ星評価を
獲得した鮨職人の小野二郎さんが話していた言葉が耳に残りました。
「自分を仕事に合わせる」
プロの企業人と呼ばれる人財となるには、まずこの意識を持って、
“一意専心”に仕事に打ち込むことが必要なのではないでしょうか。

プロ意識

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先日、とあるチームと一緒に仕事をしました。
彼ら彼女達は、常にチームを編成して活動するプロフェッショナル集団です。
その中に入り一緒に仕事をしていて、強く感じたことがあります。

仕事自体は、少々ハードなものだったにも関わらず、
とても“気持ちよく”仕事をすることができたのです。
それはなぜか?理由は明白です。

最初から最後まで、誰もがポジティブな発言や態度に努め、
疲れを見せることは無かったからです。
ミスが重なっても、決してため息が聞こえることなどはなく、
逆に「がんばっていきましょう!」と元気な声が飛んでくるのです。

チームで仕事をする場合、
ネガティブな言動に引っ張られてしまうという経験のある人は多いと思います。
一人のネガティブな言動は、チーム全体のモラール(士気)を崩してしまうのです。

組織やチームで仕事をする以上、自分自身がどんなに疲れたり落ち込んでいても、
表には出さないことがとても重要です。しかも、一緒に仕事をするメンバーを、
互いに必要とし、認め合い、気遣えることも重要です。

しかも、一瞬の例外なく“常”にです。
このような精神力も併せ持って、初めてプロフェッショナルと
呼べるのだろうと感じました。

私も第一歩として、仕事中のため息をなくさなければ!と反省しました。

カンブリア宮殿

本ブログでよく感想を紹介するNHKのプロフェッショナル
〜仕事の流儀〜と同じくらい興味深く見ている番組に
テレビ東京系月曜10時〜のカンブリア宮殿があります。

主に企業の経営者など有名な方々を特集している、
村上龍氏がメインインタビュアーを務める番組です。

7/30放送のスペシャルは、過去に出演した社長さんたちの
金言を特集していました。
一度は見た内容とはいえ、あらためてダイジェストで
見るとなかなか考えさせられる内容が多くありました。

我々のような研修という仕事をしていると、このような
“ありがたい言葉”を引用することが多くあります。
もちろん、似たような意味の言葉も多く使わせていただきますが、
“本人の言葉”を本人が直接語っているのは、やはり“重み”が
違います。

そんなことを考えていると、村上龍氏が最後の感想に
『彼ら(出演者達)の言葉は、シンプルで伝わりやすく
まとまっている。しかし、その言葉にたどりつくまでの
彼らの経験は並大抵ではなく、その重みが素晴らしい』
という旨のことを語っていた。

さすが、作家。
1つひとつの言葉の中にある、概念や思いを大切にする
力がすごいなぁと感じました。

育てない

毎週木曜の夜10時から NHKで放送されている
「プロフェッショナル 仕事の流儀」。

私は、毎週欠かさず録画して週末に見ている。
先週取り上げられていたのは、りんご農家の木村秋則さん。

木村さんは、不可能と言われていた“りんご”の自然栽培
(農薬も肥料も一切使わない)に8年の歳月をかけて成功した。

木村さんの畑は、一見すると何も手をかけていないかのように見える。
雑草は生やし放題で害虫も駆除しない。
木村さんの作業のすべては、自然な環境を維持することに費やされる。

冬が近けば、りんごの木に冬が近いことを知らせるために雑草を刈る。
害虫の駆除(?)は原則、益虫に任せる。

それでも病気が発生する場合や細菌の駆除には「酢」を使う。
それも、土を踏み固めてしまって自然の環境を損ねるという理由から、
大型の散布車は使わず、一本一本の木に手作業で散布する。

まったく気の遠くなるような手間を惜しまず、りんごを育てるのである。

その木村さんの極意が“りんごを「育てない」”。
りんごが「育つ」環境を整えることが、ご自分の仕事だと言う。

人材育成の要諦にも通じる話である。

うろつき上司

部下よりも上司の方が忙しくしている。
昨今の職場では当たり前の風景のようだ。

昔はそうではなかった。課長、部長、本部長・・・と
上位役職者になるほど、暇があるように見受けられた。
そんな記憶が皆さんにもないだろうか?

先日、あるお客様と昔の上司の話になった。当時は、
出勤すると上司が新聞を読みながらコーヒーをすすっていたものだとか、
上司がうろつきまわり、やたらと話しかけられて困ったものだとか、
くだらない駄洒落を連発する上司への対抗策を考えていたものだとか・・・
古き良き時代(?)の上司の話に花が咲いた。

翻って昨今の上司はいかがだろう?
デスクで新聞を読んでいるなどもってのほか、
部下に雑談でもしかけようものなら周囲から白い目で見られる、
当然、上司がうろつける雰囲気にはない。
そのような職場が多いのではなかろうか。

昔は良かった、などと言うつもりは毛頭ないのだが、
職場のコミュニケーションが希薄になっていると言われる一因は、
うろつかない上司の存在にあるのではないか?私はそう思っている。

折しも先週末、ため込んでいたビデオで、
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見ていたら、
カードゲームのムシキングを開発した植村比呂志さん(部長)が、
部下の周りをやたらとうろつきまわる姿が紹介されていた。
彼曰く、部下が上司に話をしやすい環境を作らなければならない、
その信念の元に自分の今の行動がある(意訳)、とのこと。

植村さんの実績を部下は尊敬しているだろうし、
あまりにもレベルの低い駄洒落は連発しないだろう。
しかし、そんな植村さんでも部下の周りをうろつき続けるのは、
相当にしんどいことだろうな、と思う。

偶然、同じ番組を見ていたスタッフにこの話をしたところ、
「あんな上司がいたら、うかうかネットサーフィンなどできませんよね!」
とのたまう。なるほど。

高額のシステム投資をして、
従業員のメールやネット閲覧のログを監視する企業もあるようだが、
最もプリミティブ、かつ、最も効果があるのは
「うろつき上司」の存在かもしれない。

そこで、はたと気がついた。
当のスタッフは一体何が言いたかったのだろうか?
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『はじめての管理職100問100答』

(株)ユニゾン 堤幸政/河村亜紀 著

明日香出版社

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