私には、今年“新入社員”となった弟がいる。
一人前の大人とは理解しつつ、何かと気になり日々の出来事を聞いている。
先週一週間は合宿研修であったためメールでやりとりをしていた。

研修二日目に「今日は徹夜決定」というメールが夜中に届いた。
後に詳しく聞いてみると、夜7時から研修課題の提案書を作成したが、
それが終わらなかったらしい。

彼は、何とか徹夜で仕上げて発表したそうだ。
講師からのコメントは
「この提案書はゴミだね。」であったとのこと。

弟が入社した会社はいわゆる体育会系色の強い会社。
新入社員も学生時代は運動部に属していた方が多く、
講師のこの種のコメントによって、「なにくそ!」と
負けん気に火がつくタイプが多いようである。

私どもも、過去にはこのように厳しく接する新人研修が多かった。
しかし、昨今それでは入り口でシャッターを下ろしてしまう
新入社員の方が多くなってきたため、研修の入り口では目線を合わせ、
発言・参画を促し、メリハリをつけた研修スタイルへとシフトしてきた。

どんな研修スタイルをとるにせよ、個人の特性や会社のカラーを見極めて、
最大の効果を上げようとするのが、私たち研修企業の仕事である。
弟の研修を担当した講師の方も、彼の特性を見極めた上で
「この提案書はゴミだね。」と言って下さったのだと思う。

しかし、この話を聞いた私は、当の本人以上に「ムカッ」としてしまった。
(何もそこまで言わなくてもねぇ。)