管理職とは何をする人か?そう問われれば、
一つには、「意思決定をする人」ということができる。

一口に意思決定といっても、顧客や組織に与える影響力の大きさは、
意思決定を必要とするテーマや管理職の責任の重さによって異なる。
例えば、会社の命運を左右するような大きな意思決定もあれば、
部下の遅刻を叱責するか否かというような意思決定もある。

これらすべての意思決定に共通しているのは、
組織の構成メンバーにとって、意思決定を下した管理職の、
リーダーとしての価値を値踏みする指標となることである。

すなわち、管理職の下す大小一つ一つの意思決定が、
「このリーダーに本当について行って大丈夫か?」
ということを組織のメンバーに判断させる格好の材料となるのである。
その場しのぎの意思決定しかなさない管理職にメンバーはついていかない。
いわゆる“ぶれない”意思決定の重要性が広く説かれるゆえんである。

しかし、この“ぶれない”意思決定が、
現在・過去・未来にわたって、あるいは、ありとあらゆるテーマについて、
不変の“首尾一貫した”意思決定であるとするのは誤りであろう。

(一握りのカリスマ的なリーダーを除けば)大半の管理職も人の子である。
常に首尾一貫した判断を下せるわけではない。また、首尾一貫した意思決定が、
必ずしも、ビジネスにおける明日の成功を約束するというものでもない。
そんなことは、ほとんどすべての組織のメンバーにとっても常識である。

では意思決定において、何が“ぶれない”必要があるのか。

私たちが研修という場を通して出会う、どの組織にも存在する優秀な管理職に、
そのヒントを探してみると、彼らの意思決定に共通しているのは、
「自ら下した意思決定に対して強い責任感を持っている」ということである。

この点における彼らの“首尾一貫した”姿勢をして、彼らの部下たちも
「ウチのボスは“ぶれない”意思決定を下す」という評価を与える。
“ぶれない”のは、意思決定に対する管理職の責任感なのである。

そのように考えてみると、意思決定には二種類しかない。
責任を持って下す意思決定と、責任を持たずして無責任に下す意思決定である。

管理職とは何をする人か?
一つには、「“責任を持って”意思決定をする人」のことである。