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世はお中元シーズン真っ盛りである。
と言っても、最近の若手にはピンと来ないかもしれない。

今どき、上司にお中元を贈るような習慣が残っている職場は、
さほどないだろうと思うからだ。また企業の中には、上司・部下間の
中元や歳暮のやり取りを明確に禁止しているところもあると聞く。
今や社内での中元・歳暮をやり取りする儀礼は死滅したと言って良いだろう。

それでも、企業間でのやり取りは廃れたわけではなさそうだ。
当社にも決まってこの時期、お中元の品をお贈り下さるお取引先がある。
その効果たるや『虚礼』などとは決して侮れない。

こちらとしては、まずはその心遣いに感謝を寄せつつも、
「そう言えば、しばらく取引がなかったなぁ…」と否が応でも思い出す。そして
お礼の電話を差し上げる際に、注文の一つ二つは入れてしまうこともあるのだ。
無論、先様がそれだけを狙って贈り物をしているわけではない。
そうではないのだが、何かお返しをしなければ!という気持ちになってしまう。
まさに“返報性の法則”である。

このような作用は、何もお中元やお歳暮に限ったことではない。
暑中見舞いや年賀状のやり取りにも同様の効用がある。これまた、
企業間でのやり取りがめっきりと減ってきた気がするのは寂しい限りだ。

そんなことを考えてみると、人と人とのつながりが希薄になっていることが
問題視されている当世だからこそ、虚礼廃止の名の元に忘れ去られた礼儀や
しきたりを、今一度見直しても良いのではないかとも思う。

虚礼とは誠意を伴わない礼儀のことではあるが、
誠意などいう言葉が死語になりつつある今の時代、
まずは形から入るのも悪くない。