部長が課長を飛び越えてその部下を直接指揮する。
このように、指揮命令系統をショートカットして上位役職者が
直接指揮を執ることを、私たちは「短絡指揮」と呼んでいる。

この短絡指揮が、“原則”好ましくないことであるということは、
以前このブログでも取り上げたことがある。
(ご参考:『上司の「短絡指揮」にどう対処するか?』

しかし、リーダーは絶対に短絡指揮を執ってはならないか?
と言えば、もちろんそんなことはない。時と場合によっては、
リーダーが陣頭に立って指揮を執らなければならないことがある。
組織が一丸となって取り組まなければならない事態が発生した時や
危機的な事態に瀕した時などには、逆にリーダーが陣頭に立って
指揮を執ることが求められる。リーダーが最前線に身を置くことで
リーダーの覚悟が部下たちに伝わり、組織の士気も高まるのだ。

先日(3/26)の日経新聞の一面に、福島第一原子力発電所の事故に際して、
東芝の原発事故対策チームの責任者である東芝電力システム社の社長が、
現場に乗り込んだという記事が掲載されていた。
リーダーはかくありたいものである。

軽々に批判めいたことは申し上げたくはないが、
翻ってこの国のリーダーや電力会社のトップは何をしているのだろう?
国の一大事である。私たちにリーダーとしての覚悟を示してもらいたい。