【PR】『はじめての管理職100問100答』こちらから購入できます!【PR】

『マネジリアル・グリッド』のエントリーは今回が最終回。

ブレーク&ムートンが類型化したタイプは全部で5つあるのだが、
現実のリーダーには、完璧な“1・1型”や“9・9型”はまずいない。
これは先日のエントリーでも申し上げた通り、ほとんどのリーダーが
“1・9型”もしくは“9・1型”寄りの“5・5型”であるためだ。


よって実際のリーダー方がマネジリアル・グリッドをどのように解釈し、
どのように自己変革のヒントとしていくかは、“1・9型”もしくは
“9・1型”の過去記事を参考にしていただきたい。

※過去記事:『“1・9型”リーダーの傾向と対策』
※過去記事:『“9・1型”リーダーの傾向と対策』
そこで今回は“1・1型”“5・5型”“9・9型”の3タイプに対する
簡単なコメントを記すのみとしたい。

【“1・1型”リーダーに対するコメント】

大前提として、そもそも人間に対しても業績にも対しても関心が低い人物を
リーダーに据えるべきではない。逆に言えば、生まれつき“1・1型”である
人物をリーダーに据える奇特な会社組織は、まずないはずである。

そう考えると、仮に“1・1型”の傾向を示すリーダーがいるとすれば、
それは“後天的に”あるいは“一時的に”人間に対しても業績に対しても
関心が向けられなくなってしまっていると考えるのが妥当であろう。

昨今は、このようなリーダー、つまり“後天的に”あるいは“一時的に”
“1・1型”の傾向を示すリーダーが増えているので注意が必要だ。
右肩上がりの経済も今は昔、現代は先行きに対する不安が渦巻いている。
そんな中、健全なリーダーが“1・1型”に蝕まれる?ことも珍しくない。
また定年を間近に感じ始めたリーダーが同様の傾向を示すこともある。

いずれの場合も、その多くは上役や周囲の積極的かつ適切な支援があれば、
健全な姿(マネジリアル・グリッドで言えば、“1・1型”以外の姿)に
回復させるのは難しくはないので、このタイプの傾向を示すリーダーの
上司には、それこそ“1・9型”寄りの支援を中心にして、彼らが本来の
自信を取り戻すことに注力してもらいたい。

【“ 5・5型”リーダーに対するコメント】

まったくの私見ではあるものの、昨今のリーダーは“1・9型”寄りの
“5・5型”リーダーがマジョリティだ。そして、その傾向は特に若手
(30代・40代)のリーダーにより顕著である。

恐ろしく乱暴に一般化してしまうと、彼らは仕事に対して極めて真面目に
取り組むのだけれども、業績に対して多大な関心を寄せているかと言えば、
必ずしもそうとは言い切れない。極端な話、業績が上がらなかったとしても
“真面目にやっているのに業績が上がらないのだからしょうがない…”と
いうような諦念があるかに見受けられる。“石にかじりついてでも…”と
いう執念は感じられないのである。

また、人間に対する関心も決して高いとは言えない。
“仲間に嫌われたくない”“仲間と仲良くやりたい”というよりは、
“人との摩擦や衝突(もっと言えば、関わり)は極力避けたい”という
どちらかと言えばネガティブな傾向が強い。

このような現代の“5・5型”リーダーを“9・9型”に進化させるには、
“1・9型”志向(人間に対する関心を高める)アプローチよりも、
“9・1型”志向(業績に対する関心を高める)アプローチの方が
より効果的である。

その理由は、次の“9・9型”に対するコメントで述べることにする。

【“ 9・9型”リーダーに対するコメント】

マネジリアル・グリッドで理想型とされるこのタイプ。
前回のエントリーで、このタイプのリーダーはそのベースに“9・1型”の
傾向を持っていると申し上げた。もっと平たく言えば(これまた経験則から
得た私見なれど)“9・9型”リーダーの多くが、元は“9・1型”である。

もちろん“1・9型”リーダーも“9・9型”リーダーに進化できる。
しかし“元9・1型”に比べれば、その数は明らかに少ない。
このことを私たちなりに解釈すると、業績(成果)に関心を向けるのは、
人に関心を向けるより遥かに難しいことだと言うことができる。

業績(成果)に関心を向けることは、取りも直さず“自らの責任”に
関心を向けることである。たとえ部下のミスで“自らの責任”が果たせ
なかったとしても、心から自らの責任と捉えることができるかどうか?
その覚悟を決めきれるかどうかが“9・9型”に進化できるか否かの試金石だ。

そして、真の意味でその覚悟を決めたリーダーはやがて気づく。
“業績(成果)を上げる=自らの責任を果たす”ためには、自分以外の人
(部下 or メンバー)の力を最大限引き出さなければならないことを。

その意味で“1・9型”の人に対する関心と“9・9型”の人に対する
関心とでは、両者の出発点と方向性はまったく異なると言って良い。
極論ではあるが…
「自分も傷つくことなくただ仲良くやっていきたい」のが“1・9型”、
「自らの責任を果たすため他人の強みを活かしたい」のが“9・9型”、
そう言い切ってしまって良いと思う。

そう考えると、やはり“9・9型”のリーダーを目指すには、
まずは自らの業績責任と真摯に向き合うことから始めるべきであろう。