私たちユニゾンは、
『企業の“人と組織のマネジメント”におけるお役立ち』を
事業の大きな柱として据えている。

私たちが直にお客様と接する研修の場、あるいは営業活動の場
において稀に、この“人と組織のマネジメント”とは何ですか?
というご質問を頂戴することがある。

それらの問いに対して、私たちは次のようにお答えしている。
「業績・業務に焦点を合わせた管理主体のマネジメントではなく、
“人と組織”という経営資源をいかに活用し進化させるかに焦点を
 合わせたマネジメントが“人と組織のマネジメント”である」と。
世の多くのマネージャー方は至って真面目である。
ここで“真面目”と言っているのは、彼らが業績や業務の成果を
上げることに、ひたむきに取り組んでいると言うことである。
マネージャーが成果を上げることに熱心なのは良いことだ。
否、良い悪いの問題ではない。最も重要なことである。

しかし、その組織のマネージャーが、
成果に“ばかり”焦点を合わせているとどうなるか?

成果に“ばかり”焦点を合わせるマネジメントとは、
「部下に○○という目標をやり切らせる」という考えが主体になる。
この考え方だけで組織のマネジメントを続けていると、自らが預かる
極めて大事な経営資源である“人と組織”がくたびれてきてしまう。

それだけではない。マネージャー自らも業績・業務を追い続けること
のみに没頭し、挙げ句埋没してしまうケースが極めて多い。

だからこそマネージャーには、成果に焦点を合わせたマネジメントだけ
ではなく“人と組織”に焦点を合わせたマネジメントが求められる。

“人と組織”に焦点を合わせたマネジメントは、成果のことを
考えるよりも先に(成果のことを考えない、ということではなく)
「この部下(組織)を○○という姿に進化させる(育成する)」
という見方でマネジメントを考える。

部下に与える業績・業務の目標、あるいはプロセスの目標は、
“部下(組織)を○○という姿に進化させる”ための手段であり、
そのための負荷であると捉えるのが“人と組織のマネジメント”の
初歩的な考え方である。

マネジメントの焦点を“成果”に合わせるか、“人と組織”に
合わせるかの違いは、成果を上げるためのマネジメントなのか、
部下や組織を進化させるためのマネジメントなのかの違いだ。
両者の違いは“ものの見方”の違いと言っても良い。

両者はどちらが正しいか間違っているか、ということではない。
どちらもマネージャーとして欠かせない“ものの見方”である。
実際においては、時と場合に応じてどちらかの考え方を重視して
マネジメントにあたる必要がある。

ただ、どちらの考え方を重視する場合においても忘れてはならないのは、
マネージャーが預かっている“人”という経営資源はまったく均一かつ
均質なものではなく、その“人”という経営資源を活かしきるのが
マネージャーの仕事であり、そのためには預かる部下1人ひとりの
(乱暴に言ってしまえば)個性を掴んだ上で、彼らの力を伸ばし
続けていかなければならない責任があるということだ。