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「もっと効率が良い営業方法があると思うんだけど…」
先日、久しぶりに会った友人がこんなことを話していた。

最近、彼の会社では経営者が代わり、それに伴って、
彼が営業マネージャーを務める法人営業部隊の営業方針も、
大きく転換されたのだと言う。

彼の話によれば、その方針は“どぶ板営業”の一言に尽きるとのこと。
新規顧客を開拓するためには“飛び込み営業”も厭わないで、
アクティビティ(行動量)を上げろ、という方針なのだそうだ。

今まで、彼の会社では、現場一線の営業パーソンと言えども、
新規の顧客に対して電話営業をかけることなどほとんどなく、
ましてや、アポなしの“飛び込み営業”などは皆無だった。

そこに来て、この方針転換である。
上役から、自社と取引のない企業のターゲットリストを渡され、
「このリストに“どぶ板営業”をかけろ!」と言われても…
戸惑う彼の発言にも頷けるところはある。

しかし、営業部隊が売上をアップさせるには、
やはり新規の顧客開拓を欠かすことはできない。
そして、新規の顧客開拓をするには、程度の差こそあれ、
“どぶ板営業的な営業活動”を避けて通ることはできないのだと思う。

前記の彼の発言は、その“どぶ板営業的な営業活動”の
“効率の悪さ”を言わんとしたものであろう。

確かに今どき、手当たり次第に“飛び込み営業”をするのは
非効率極まりない、とする彼の見解は正論だと思う。
では、新規開拓の営業効率を上げる方策があるのか?
と問われれば、そんな魔法のような方法の存在を私は知らない。

せいぜいできることと言えば、“お金をかけること”。
ターゲットリストの精度を上げるために、例えば、
イベントなどを実施して新規営業先の名刺データを収集するとか、
テレマ会社などにアウトソースして、見込みになりそうな営業先を
絞り込んでもらうことくらいであろう。
これらはいずれも、相応のコストが負担できる組織でなければできない。

では、お金がかけられない営業組織はどうすれば良いのだろう?
これはもう“どぶ板営業的な営業活動”しかない。
自ら試行錯誤を重ねてターゲットリストの精度を上げるしかないのである。
具体的には、四季報やらWebやら“出来合いの”情報を元に、電話やFAXや
e-mailを使って、創意工夫しながら新規顧客にアタックし続けることである。

これを“効率が悪い”と断じてしまうのは簡単である。
けれども、そうしなければ新規の顧客開拓ができないという営業組織も多い。
かく申す私たちもそうである。

「今までが恵まれすぎてたんだよ…」やっかみ半分で彼にはこう言ったものの、
新規開拓をするのに効率的な方法があれば、是非教えてもらいたいものである。