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『論語』がブームなのだそうだ。
“子曰く…”のあの『論語』である。
なんでも小中学校の教材に『論語』を利用する学校があったり、
『親子で“論語”を学ぶ勉強会』が盛況だったりするそうだ。

このブームはビジネス界にも波及しているようで、
『Harvard Business Review』の10月号(9/10発売)でも、
“論語の経営学”なる特集記事が組まれていたりする。

世に曰く、古典が流行る世相というものがあるらしい。
多くの人が将来に対して明るい展望が見出せないと感じている、
そんな時に古典が見直される傾向があるそうだ。

ところで『論語』に限らず、ビジネス書籍の分野でも古典流行りだ。
例えば、ドラッカーや松下幸之助の本が“温故知新的なPR文句”で
書店に並んでいたりする。これも結構売れているようだ。

個人的には、彼らの著作を“古典”と呼ぶのは憚られるのだが、
このブームに乗って?過去の良質なナレッジが見直され、多くの
ビジネスパーソンの目に触れることは大いに結構なことだと思う。
さりながらビジネス分野における“古典ブーム”は、
残念ながら、大体一過性で終わってしまうことが多いようだ。

私がこの業界に身を投じた5,6年前、研修中にドラッカーの話を
引き合いに出した当社の講師にクレームが入ったことがある。

「今さら、ドラッカーはないでしょう…」
何もクレームを下さったその企業が特別だったわけではない。
“孫子”を引き合いに“戦略”を紹介した講師にも同様のことがあった。
当時の雰囲気は、おおよそこのようなものだったように記憶している。

私たちは、総じて“新しいもの”に惹かれる傾向がある。
その本質的な欲望が、社会の進歩に貢献しているのは間違いない。

しかし、人間という生き物の本質や人間集団の原理・原則にかかわる
ナレッジのほとんどは、先達たちの手によって既に明らかにされている、
私自身はそう考えている。それらのナレッジを軽んじてしまうのは、
やはり、私たちにとって大きな損失と言えるだろう。

そう言えば、この逆風下に絶好調と報じられるユニクロの柳井さんも、
座右の書はドラッカーだと聞く。世の中の移ろいに左右されず、
学ぶ人は学んでいる、それがいわゆる“古典”なのかもしれない。

ともかくも『論語読みの論語知らず』などとは言われたくないものである。