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前回のエントリーでは“部下の数”に着目して、
部長と課長の違いについて考えてみた。


今回は“部長にしかできない仕事”という観点で、
部長と課長の仕事の違いを考えてみたい。

組織上の機能においては、部長も課長も、
自らが預かった組織を経営(管理)する点においては、
同じような機能を果たすことを周囲から期待されている。

すなわち、預かった組織の「成果責任」「部下の育成責任」
「部下の保護管理責任」を果たすという機能を有している点で、
部長と課長の間に大きな違いはない。

しかしながら、部長には大いに期待されていても、
課長にはあまり期待されていない機能というのもある。
それは、『経営幹部、あるいは関係区の上位責任者を動かす』という機能、
平たく言ってしまえば、上や横を動かす仕事である。

この機能は、課長には求められていないということではないのだが、
初級管理職である課長級の役職者には、上や横を動かすことよりも、
自分の組織(配下)をまとめ上げることに重きが置かれる。

対する部長には、自分の組織をまとめ上がるのは当然のこと、
全社にわたる問題や自部署のみで完結しない業務上の問題を発見し、
経営層や関係区の上位責任者に対して問題提起を行い、
自らが率先してそれらの問題解決にあたる機能が求められる。

この機能が果たせていない部長は、
単なる“良くできる課長レベル”の部長職である
と言ってしまっても良いかもしれない。

部長には、部長として期待される機能があるのである。
その1つが、上や横を動かす機能である。

“部長にしかできない仕事”を見つけられない部長が、
おおかたの場合において“課長の仕事泥棒”になってしまうのは、
上や横に対して仕事をしていないことに起因すると思われる。