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勉強好きなビジネスパーソンは少なくない。

そんな彼らに根強い人気があるのが、『話す・聴く』といった
コミュニケーションにまつわるスキルやハウツーだ。

中でも人の話を聴くスキル『傾聴術』は、昨今の定番と呼んでも良い。
この『傾聴術』は、例えば…

“人の話を聴いているという姿勢を示す方法”
“相手が気持ちよく話してくれるための質問方法”
“相手の話を否定せずにこちらの意思を伝える方法”

などというような“テクニック”という形で紹介されることが多い。

もちろん、私たちはこれらのテクニックを否定するものではない。
これら『傾聴術』に関するテクニックは、私たちの研修においても、
ふんだんに紹介することがあるからだ。

けれども、これらのテクニックを身につけたからといって、
必ずしもその人が“聴き上手”になるというわけではない。
それは、テクニックという枝葉末節にとらわれてしまって、
“聴くことの本質”を見失っているような人が、多くの場面で
見受けられることからもわかる。

ビジネスパーソンにとって、相手の話を“聴くことの本質”は、
良い相づちを打つことでも、良い質問をすることでもない。

それ(聴くことの本質)は、相手が自分に話してくれたことから、
相手が自分に対して望んでいること(思いや欲求)を斟酌して、
それを満たすべく相手の見える形(行動)で返すことである。

ビジネスパーソン同士の対話は茶飲み話ではない。
お互い、その場限りの楽しい話し相手を求めている訳ではないのである。
いくら気持ちの良い対話ができたからと言って、
その後の行動に繋がらないような対話は時間の無駄にしかならない。

本当の“聴き上手”を目指すのであれば、テクニックは二の次で良い。
まずは相手が何を望んでいるのか、全神経を集中して感じ取り、
一つでも相手の望みを叶えるような行動を起こすことを心がけるべきだ。

テクニックだけの聴き上手では、単なる軽いヤツで終わってしまうだろう。