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リーダーたる者、背中を上手に使わなければならない。

こんなことを言うと、大半の方は、
背中で部下たちを引っ張ることを想像するかもしれない。
無論リーダーには、後ろ姿(背中)で部下たちを導くこと、
すなわち、率先垂範が欠かせない。

チームの指揮官であるリーダーが部下たちに、
“本気でやり遂げるんだ!”という姿勢を見せなければ、
チーム全体の士気が上がることはないだろう。
従って、リーダーが自分の背中で部下たちを引っ張る姿勢を示すことは、
リーダーシップを発揮する上で、極めて重要なファクターであると言える。

しかし、「俺の背中についてこい!」とばかりに、
“しゃにむに”率先垂範を示すだけではダメである。
なぜならば、率先垂範には空回りがつきものだからだ。

この率先垂範の空回りは、特に優秀なリーダーに見受けられる。
大方の場合、そんなリーダーは部下たちから特別視されている。
そのようなリーダーがいくら頑張っても、部下たちがついてこない、
などいうことが結構あるのだ。

それは、彼らが“リーダーのようにはできない”と諦めてしまっているか、
はなからしらけてしまっているか、のいずれかであることが多い。
リーダーが部下たちのそんな心理状態を顧みようとしなければ、
率先垂範は空回りをし続けることとなる。

部下たちが思うように動いてくれないと焦るリーダーは、
チェックを厳しくしたり、自分ばかりが喋る名ばかりの対話を増やしたりと、
部下たちの動きを目をギョロギョロさせて見るようになってしまうのだ。

こうなると部下たちは、ますます萎縮してしまうか、しらけるか、
リーダーに“おんぶにだっこ”の状態になるかしかない。
まさに悪循環である。

そうならないためにも、リーダーは『自分の背中に目と耳を持って』、
部下たちの動きと心理状態をしっかりと把握しようと努めなければならない。

これが、もう一つの背中の使い方である。
目をギョロギョロさせて部下たちを見るのではなく、
後ろ姿(背中)で感じることが重要なのだ。

「見ていないようで、しっかりと見ていてくれた…」
良いリーダーを語る部下たちの、こんな言葉に象徴される
リーダーの背中の使い方もあるのである。