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先日(8/27)の日経新聞特集記事「働くニホン」の中でも
紹介されていたので、ご存じの方もいらっしゃるであろう、
この『エンゲージメント(Engagement)』なる言葉。

最近、私たちの業界ではトレンドとなりつつある言葉である。

“Engagement”を英和辞書で引いてみると“婚約・約束・用事…”
といった訳語が並んでいる。けれども、この言葉を私たちの業界で
使う際の意味は、直訳とは少し異なる。古き良き時代の言葉を
借用するならば、『愛社精神』といったニュアンスだろうか。
(日経新聞の記者は『組織や仲間との一体感』と表現していた)

その意味で使われる“Engagement”の発信源は、無論欧米である。
耳学問で知る限り、欧米の企業では、従業員のエンゲージメントを
客観的に測定して、これを高めていこうとする動きが活発であるらしい。
過日、このブログでもご紹介した情的資本(Emotional Capital)経営
類する考え方と言って良いだろう。

欧米企業の考え方や経営手法を、
チャーミングな言葉と一緒に輸入しようとするのは日本企業のお家芸。
とりわけ、私たちのような業界はこの手の言葉には敏感である。
しばらくは、この言葉を積極的に用いる同業者が増えるかもしれない。

また、一般に『愛社精神』では踏み絵を踏まされるような威圧感を
覚えるビジネスパーソンが多かろうと想像されることからも、

例えば、経営者が従業員に対して、
「私は皆さんに愛社精神を持ってほしいんです!」と語りかけるよりは、
「我が社はエンゲージメントを向上させることに注力しています!」と
語った方が、現代のビジネスパーソンには受け入れられやすいかもしれない。

ともかくも、仮にこの言葉が(“モチベーション”なる言葉と同様に)
広く流布するようになるとするならば、それだけ、自社の求心力に危機感を
抱く経営者が多いということの証左と捉えることもできるであろう。