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両方の仕事を生業とする者として、私が日々感じているのは、
研修講師の仕事と営業マンの仕事に求められる能力には、
多分に共通点が多いということだ。

どちらも相手(聴き手)が存在しなければ成り立たない、
その相手に何かを伝えなければならない、という仕事なので、
求められる能力に共通する点が多いのも当たり前かもしれない。

そんな共通点の中で、最近特に大事だと感じているのが、
『全部は喋らない』という能力(作法?)である。

顧客に評価される研修講師や営業マンのタイプは様々あれど、
彼らの多くに共通するのが、この『全部は喋らない』ことだと思う。

一般に、デキない研修講師や営業マンほどよく喋る。
相手が関心を持って聴いている時だけならまだしも、
相手の関心が薄らいだ様子が見えても、一向に喋りやまない。
むしろ再度、関心をこちらに向けようとして畳みかけてしまう。

デキる研修講師や営業マンは決してそのようなことはしない。
相手が関心を示した時には、あまり喋らないようにする。
これは、自分が伝えたいことこそ、相手の口から喋らせるのが
効果的であると心得ているからだ。

この両者の差が、相手の満足度に与える影響は極めて大きい。

もちろん、研修講師も営業マンも喋らなければ始まらない仕事ではある。
けれども、伝えたいことの全部を、自分が喋ることで相手に伝えようと
するのは、伝えることの難しさを知らない証拠だと思う。

人は自分で考えて答えを出したことでなければ、具体的な行動(研修で学んだ
ことを実践するとか、買うために上司を説得するとか)には繋がりにくい。
これを知らずして、顧客に評価される研修講師や営業マンにはなれないだろう。

私なぞは日々、反省の連続である。