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およそ一年半の長きにわたって、
私を楽しませてくれた北方謙三さんの「水滸伝(文庫版)」。

先日発売された第19巻をもって、ついに完結した。

25日(金)の新聞に全面広告が掲載されていたのをご覧になった方もいるだろうが、
この北方版の「水滸伝」は累計500万部を超えるベストセラーとなっているようだ。

この本がなにゆえ、それほど多くの人を惹きつけるのか?

それぞれの目的は違えども、国を倒すという旗の下に集った登場人物たち。
ある者は、八面六臂の活躍をしながら燃え尽きるように死んでいく。
またある者は、ただむなしく死んでいく。
この本は極端な話、それだけの物語である。

しかし物語の登場人物はいずれも
(たとえそれが超人的な力を持った人物であったとしても)、
読者が感情移入するのに十分な人間くさい弱さや汚さを持っており、
そのことでこの北方版「水滸伝」という物語が、およそ他国の言い伝えや
伝承を集めた話を下敷きにしているとは思えないほどのリアリティを持って、
「あなた(読者)はいかに生き、いかに死すか?」という根源的なテーマに
対して、その答えを迫ってくるかのようなのだ。

…と堅苦しく書いてはみたものの、
私の拙い文章力ではこの本の魅力をお伝えすることはできそうにない。
とにかく理屈抜きで面白い小説だった。

水滸伝は完結するも、私自身の楽しみは、
続編の「楊令伝」(全10巻中5巻まで刊行)に引き継がれている。

贅沢な読書の時間は、当分なくせそうにない。