管理職が部下を育成するには、
(1)情報や機会を与えて育成する、
(2)高い目標を任せて育成する、の大きく2つの方法があります。

(1)は、仕事に必要な知識や技術、組織で活動していくために必要な躾(しつけ)や
ルールを教えたり、それらを学ぶ勉強会や研修などの機会を作ってあげることです。
この方法は、仕事をする上で欠くことのできない基本的な能力開発を図るのに適しています。

例えば、新入社員であれば社会人としての基本動作や会社のルールを、
営業職であれば商談技術や商品知識を、
システムエンジニアであれば新しい開発環境や開発言語を、
それぞれ管理職が指導教育したり、OJTや研修を通して身につけさせることを指しています。

それに対して(2)は、高い目標を部下自身の力でやり遂げさせて部下育成を図る方法です。
この方法で絶対に欠かせないのが、部下自身の目標達成への意欲です。そのために管理職は、
部下自らが高い目標にチャレンジする意欲を引き出す動機づけをしなければなりません。

「なぜ、この目標をあなた(部下)に任せるのか」その部下の成長への期待と管理職としての想いを、
部下に“しっかりと引き受けさせる”必要があるのです。その上で、部下が自分の力で
目標を達成できるよう指示・指導するのではなく「支援」をするのが、この育成方法のポイントです。

管理職はこれら2つの方法を、部下1人ひとりの能力や経験、育成したい内容によって
使い分けていきます。一般的に、新入社員や経験の浅い部下に対しては、(1)を中心に
知識と技術を身につけさせて1人前の仕事ができるよう育成を図っていきます。
ただし、いつまでもこの方法だけで部下を育成しようとしてはいけません。
「わからなければ教えてもらって当たり前」という依存の意識が部下に根づいてしまう
恐れがあるからです。一定のレベルにある部下や少なくとも1年以上の経験を持つ
部下に対しては、(2)の「高い目標を任せて育成する」ことを中心に据えて
「部下を自発的に成長させる」ようにするのが、部下育成の基本的な考え方です。

そして、(1)(2)いずれの方法をとるにしても管理職は、「部下は必ずできる人だ」と
信じてかからなければなりません。「この部下には何をやらせても成長しない」と
管理職が思った時点で、部下育成は放棄されたと言ってもよいでしょう。
部下育成は、管理職が部下1人ひとりの可能性を信じて臨まなければ成功しません。
つまり「部下を信じて伸ばす姿勢」を管理職が失わないようにすることこそ、最も重要なのです。

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