気がつけば丸々二ヶ月の間、
メルマガ「ユニゾンTOPICS」の配信が滞っておりました。
大変申し訳ございませんでした。Vol.26 は明日(6/29)配信します。
メルマガに掲載予定の「温故知新:リーダーに特有の落とし穴(1989年10月)」
の全文を一足お先に公開します。

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リーダーの立場にある人達の不祥事が、最近とりわけ目立つようである。
政治家、官僚、経営者といったトップクラスの不祥事はマスコミを賑わすが、
組織の片隅で起こるセクハラや不正等も少なくはない。

リーダーの立場になった時、多くの人は気を引き締め、
フォロワー(従う人)のためにも頑張らなければ、という思いを強くする。
しかし、月日と共にその初心は忘れ去られてしまうこともあるようだ。
眉をひそめたくなるケースをいくつか取り上げてみよう。

地位を利用して、うまい汁を吸おうとする
 新聞の三面記事を賑わす中で最も多いケースである。
 しかし、職場の中でも時々見受けられることもある。
 与えられた権限をいいことに、業務とは直接関係のないことで
 飲み食い等の遊興に公費を使う。
 それを称して“役得”とうそぶく者もいる始末である。

耳ざわりの良い情報しか聞かず、状況判断を誤る
 「耳ざわりの良い情報しか“入らない”」と言われることがあるが、
 これは嘘である。リーダーが耳ざわりの良い情報しか歓迎しないのである。
 下の立場の人達は、そういうことぐらいすぐに察知する。
 口先で「なんでも言ってこい」と言われようが、リーダーの表情を見れば
 誰でも本音の部分は嗅ぎ取ることはできる。

偉くなったつもりになり、なんでも他人にやらせようとする
 大企業の役員を無能者にするのは、「秘書・個室・車」だと断定した
 コンサルタントがいた。全て他人任せにして、自分一人では電車の切符さえ
 買えなくなってしまう、というわけである。少々オーバーにしても、
 こういう現象はあちこちで見受けられる。もっと身近なケースでは、
 例えば、新人が営業所に配属される。本来は所長がしっかり指導しなければならない
 状況にも関わらず、先輩に面倒を見させて自分は何もしない。
 屋上屋を重ねるようにすれば、自分はもっと偉くなったような気がするらしい。

イエスマンを重用し、有能な人材を腐らす
 リーダーの立場になれば、自分の思うようにやりたくなるのは当然である。
 それゆえ、自分の考えに賛同し、協力を惜しみなくしてくれる部下を
 重用したくなるのは人情であろう。しかし部下には部下の立場があり、
 打算を働かす者もいる。賛同し協力するからといって有能であるとは限らない。
 部下の能力や真意が見抜けないようでは、リーダーとしての責任を果たすことは
 難しくなるはずである。

保身に走り、リスクを回避する
 リーダーの立場になれば、自分の責任で決断しなければならないことがある。
 というよりは、それがリーダーの努めである。ところが、波風を起こしたくない、
 嫌な奴だと思われたくない、火の粉がこちらに飛ばないようにしたい等々の
 心理が働き、決断をしないのである。いわゆる優柔不断になる。
 こういうタイプは、上昇志向よりも保身志向が強い。良い仕事などできるわけがない。

権限にものを言わせ、独断専行になる
 このようなタイプに特徴的な落し穴は、「Must」と「Want」のはき違えにある。
 つまり、リーダーの責任を果たすために「やらなければならないこと」に執着する
 のではなく、「やりたいこと」に固執するのである。
 それゆえ、上位役職者とトラブルを起こしたりすることもある。
 ワンマンのリーダーは良くないと言われることがあるが、
 必ずしも正しい説ではない。良くないのはWantのワンマンリーダーである。

成功すればするほど天狗になり、不遜になる
 成功すれば当然脚光を浴びる。周囲からチヤホヤされるようにもなる。
 「俺もたいしたものだ」と思いたくもなろう。しかしリーダーの立場にある者は、
 そこでブレーキをかけなければならない。
 「責任は自分、手柄は部下」とよく言われるが、そのくらいの気持ちが必要であろう。
 成功した経営者がいつの間にか・・・などというケースは枚挙にいとまがない。

いつまでも地位にしがみついて、組織の活性化を妨げる
 老害と言われるケースである。
 政治の世界でも経済界でも未だに言われ続けている落し穴である。
 しかし老害だけではない。無能害と言ってもよいケースもある。
 つまり、若くてもリーダーの責任を全うできる能力が欠如しているにも関わらず、
 その地位に恋々としている場合である(会社の責任でもあるが)。

周囲からチヤホヤされて、自己規制力を失くしてしまう
 リーダーの地位から離れて一番淋しい思いをするのは、潮が引くように
 人が去っていくことだという。その地位にいる時は、多くの人が集まり
 うまい話しをもってきたり誘惑の手を延ばしたりする。
 繰り返しそういうことをやられていると、次第に麻痺してくる。
 接待や贈り物に手を染め始めるのである。


このような落し穴は、上位リーダーになればなるほど数多く待伏せしている。
社会や企業をリードする立場にいる人達は、厳しく自分を律し、
襟を正してもらわなければ困るのである。
しかし、現場を預かるリーダーにとっても他人事ではない。
権限もあまりないから落し穴も少ない、と油断はできない。
鼻つまみのリーダーは、大体この落し穴のいずれかに既に落ちているのである。