管理職がうまく経営してきた組織でも、
時間が経つにつれメンバーたちに活気が見られなくなることがあります。
多くの場合、その原因は「倦怠感」が生じてきたことにあります。
メンバーたちは現状に概ね満足しつつも、「なんとなく飽きてきた」
「刺激が乏しくて物足りない」という感覚を抱き始めるのです。
この倦怠感は、管理職のリーダーシップに大きな問題がなくても現れてきます。

このような「倦怠感」が多くのメンバーに現れてきたと感じたら、
管理職は自分たちの組織に変化を起こしていく必要があります。いわば、
組織に現れたマンネリを打破するためにリーダーシップを発揮しなければならないのです。

このマンネリを打破するのに最も効果があるのは、人事ローテーションです。
多くの大企業では定期的に人事ローテーションを実施しています。その目的は、
組織の機構改革や従業員のキャリアパスにだけ存在するのではありません。組織の
停滞感を払拭し、活力ある組織経営を続けていくには人事ローテーションが欠かせないのです。

とは言え、部署をまたがった人事ローテーションを検討するのは、
管理職にとって最後の手段であると考えるべきです。
まずは、メンバーたちの役割分担を変える、メンバーの中からリーダーを任命する、
プロジェクトチームを発足させて若手をリーダーに登用するなど、
組織内で可能な人事ローテーションを検討してみるとよいでしょう。

また、メンバーたちに“外の空気を吸わせる”こともマンネリを打破する効果があります。
外部の研修やセミナーに参加させてみる、期限付きで他部署の仕事を経験させる、
全社のプロジェクトに参加させるなど、メンバーたちに自己啓発の機会を与えることで、
意欲的に仕事に取り組めるよう導くのも管理職の仕事なのです。

しかし、人事ローテーションやメンバーたちに“外の空気を吸わせる”ことを考える前に、
管理職が取り組まなければならないことがあります。それは、自分自身の
マンネリを打破することです。メンバーたちにとって、ある程度の期間を
一緒に過ごしてきた管理職は安心感をもたらす存在と言えます。いい意味でも
悪い意味でも“手の内”が読め、その管理職とのつきあい方に慣れてくるからです。

だからと言って、メンバーたちが同じ管理職にこの先もついていきたい
と思うわけではありません。そのような状態が長く続けば、メンバーたちは管理職から
刺激を受けることがなく、やがてその存在に興味を失い、結果的に管理職の
リーダーシップは低下していくのです。

管理職は組織に適度な緊張感を与えなければなりません。
そのためには、自らが率先してレベルの高い仕事に挑戦する、メンバーたちに
もっと大きな仕事をやり遂げさせる、メンバーたちとの接し方を変えてみるなど、
意識して自分のリーダーシップに変化を起こしていく必要があります。
最も大切なことは、自分自身が管理職として常にレベルアップを図り、
メンバーたちを飽きさせない存在であり続けることなのです。