いよいよ締切が近づいてきた執筆のお仕事。
まさに、お尻に火がついた状態で過ごしています。

というわけ(?)で、
宣伝の意味も含め少しだけ書籍のイメージをご紹介します。
(内容は変わるかもしれません・・・)

「管理職とは?」

Q.30歳ではじめて管理職となりました。
  当社では管理職になったからといって研修などがあるわけでもなく、
  正直何をすれば良いのかわかりません。
  そもそも管理職とは、どんな仕事をする人なのですか?

A.一言で言ってしまえば、管理職とは組織の経営者のことです。
  経営者ですから、自分の裁量で意思決定できる範囲はプレイヤーの頃より
  広がります。だからといって、経費が使い放題になるわけでも、人事の裁量が
  思うままになるわけでもありません。むしろ、果たさなければならない責任の
  範囲が広く重くなると考えた方が良いでしょう。その意味で、管理職とは
  「組織の成果に全責任を負う人」と表現するのが適当かもしれません。

  では、組織の成果を上げるために、管理職が果たさなければならない責任には
  どんなものがあるのでしょうか?その責任は、大きく3つあります。
  もっとも重要な責任は、預かった組織の業績責任です。
  管理職は、定められた期間(一般的には半期6ヶ月間、もしくは通期1年間)に
  自分たちの組織に与えられた目標をクリアしなければなりません。
  営業組織であれば売上や利益といった業績目標を、研究開発を担当する組織では
  研究テーマの完了や製品化が業績目標となります。これらの業績目標を達成して、
  初めて管理職としての責任を果たしたと言えるのです。

  次に大きな責任となるのが、部下メンバーの指導育成責任です。
  部下メンバーを指導することは、組織に与えられた業績目標を達成するためには
  欠かせません。そして、組織に与えられる業績目標は高くなることはあっても
  低くなることはないのです。将来の業績目標を達成し続けるためには、
  部下メンバーを育成しレベルアップを図っていかなければならないのです。
  つまり、管理職は現在の成果を上げる責任だけではなく、未来の成果を上げる
  責任も担っているといえます。

  そして、3つ目の責任が部下メンバーの保護管理責任です。
  皆さんの部下となるメンバーは、会社から預かった貴重な財産です。
  彼らが心身ともに健康な状態で仕事に臨めるよう、
  管理職は常に気を配らなければなりません。そして、彼らが会社の方針を
  遵守し、その組織の一員としてふさわしい言動を行うよう管理することも
  管理職の責任です。また、時には他部署の管理職や自分の上役から部下メンバーを
  守ってやる必要が生じるかもしれません。

  このように見てくると、管理職とは責任ばかり大きくて割に合わない仕事だと
  思われる方がいるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。
  管理職となれば、自分の思うように組織を経営することもできるのです。
  そのためには、組織の経営者としての方針を策定して、部下メンバーに
  打ち出す必要があります。
  具体的な方針の策定に関しては、次項以降で詳しく述べることにしましょう。