就職前、私は「営業=飛び込み営業」と思っていた。
周囲の人間に飛び込み営業をするようなタイプが多かったので、
いつしかそう思うようになっていたのだろう。

しかし就職し、セキュリティの意識が高くなるなど、環境の変化もあり、
飛び込み営業をする組織が減少していることを知った。
また最近では、採用の際“飛び込み営業なし”と全面に打ち出すほど
営業する側からも飛び込み営業は敬遠されてきたようだ。

営業というと“足で稼ぐ営業”を思い浮かべる私は、
最近の営業スタイルは、自分も含め、おとなしいと感じる。
こんな営業スタイルの変化を「なぜだろう?」と、一人でよく
考えていた。

そんな時、お客様からヒントとなりそうなお話を伺った。

そのお客様曰く、インターネットが普及する前、就職活動のスタートは
今のそれほど楽ではなかった。

資料請求のハガキを何百枚と手書きし、説明会の予約を取るために
けんしょう炎になるほど電話をかけ、情報を得るため、足が棒になる
までOB訪問を繰り返す…そんな就職活動であったとのこと。

それから考えれば、今の29歳頃から後の世代の就職活動は
非常に楽になった。
就職活動に必要なアクションが全て家にいて完了する。
エントリーや資料請求、説明会予約…会社について調べることも
全てパソコン1つあればいいのだ。
会社側からの情報発信に始まり、他の就活者の声をリアルタイムで
見ることができる。
足で情報を取りに行く気にならないのは明らかである。

就職活動は自分を売り込む営業活動である。
この“就職活動”という最初の営業アプローチの変化が、学生の意識、
ひいては若手の営業スタイルの変化に繋がっているのではないかと感じた。

どちらが良い・悪いと言いたいわけではない。
私もインターネット世代であり、飛び込み営業をするのは萎縮してしまう。
しかし、新しい境地を開くためにも、今再び“飛び込み営業”に
トライしてみようかと思う。