多くの企業で人事異動が発令されるシーズンとなった。

新聞紙上に掲載される公開企業の人事異動を見る限り、
大胆な機構改革を実施する企業も少なくないようだ。
そのような企業では当然のごとく、たくさんの人が異動する。

現場に目を転じてみれば、部下たちの最も気になるところが、
「自組織のボスに誰が座るのか」ということではないだろうか。

私の経験でも、「え、あの人がウチに来るの!?」と
内心穏やかならぬ心境で4月を迎えたことが一度や二度ではない。
しかし、内心穏やかでないのは異動する側の管理職たちも同じである。

過去、この時期に他部署から異動してきた上司が私にもいた。
今では公私ともに親しくお付き合いいただいているその方が、
「言うことを聞かない部下たちの集まりで有名だった“あんな”
 部署で自分はやっていけるのか?正直、不安でいっぱいだった」
と話してくれたことがある。

上司も部下と同様に、不安を抱えて新しい組織に赴任するのだ。

したがって、春は「対話」の季節なのである。
新任の上司が赴任した場合はもちろん、異動がなかった組織においても、
上司と部下が“これからどうしていくのか”をしっかりと話し合う必要がある。
そして、お互いを理解し、お互いに期待を持てれば最高である。

そのためにも、上司はなるべく早いタイミングで、
部下の一人ひとりと対話の機会を設けなければならない。
このタイミングでの対話では、上司が話しすぎないことが大切である。
上司としては、部下の「想い」を引き出したい。

新任上司の場合、以下の三項目の質問を用意しておくのも良いだろう。

”下が今まで力を入れてやってきたこと
部下がこれから力を入れてやっていきたいこと
上司としての自分に期待すること

赴任したての上司と部下との対話には緊張感がつきものである。
部下からすれば、“この上司はどんなことを言い出すのだろうか?”との
警戒心を持って対話に臨む。上司はそのような部下の心情に配慮しながら、
まずは、“この上司には話をしても大丈夫だ”という関係づくりを始めたい。