最近、女性ファッション誌に、働く女性に向けたメッセージや特集が
多くなっている。
ファッション誌を1冊平均800円弱という金額を出して買うことに
抵抗感を持ちながらも、特集を言い訳にし、つい購入してしまう。

最近購入した雑誌は、私のお気に入りの中の1つである“Domani”
誌面で、30代キャリア女性に向けた、シリーズものの特集が
組まれている。今回の内容は、『「昇進不安」という新現象』。

我々の仕事柄、「管理職になりたくない」と考える方が、
男女を問わず増加していることは実感している。
そんな背景もあり、この特集記事に目がとまった。

中を見てみると、正社員3,000人強でのアンケート結果では、
管理職志向があるのは49.6%、その残りが管理職志向なし。
管理職の声がかかったとしても、絶対に断るという方は12.7%。

この数字が多いか少ないかは分からない。
しかし昨今は、“ハケンの品格”よろしく、正社員と派遣社員や
契約社員、アルバイトと多種多様な働き方が可能である。
そんな状況下、正社員が管理職になってくれないとなると、
会社としては頭の痛いところだろう。

では、なぜ昇進が不安なのかという個別の項目を見てみると
1番目は「家庭との両立が難しい」・・・・・・37.5%
2番目が「部下をとりまとめる自信がない」・・25.0%
3番目に「プレッシャーが重すぎる」・・・・・20.8%
となっている。

確かに1番目は、組織や社会としての制度が整っていなければ
解決は困難だろう。とはいえ、管理職でなければ両立が容易かと
いうとそこに大差はないように、私は思う。

それはさておき、注目すべきは2番目と3番目である。
「自信がない」「プレッシャーが重い」という要素は、ステップアップ
した仕事をしようとすると、必ず含まれる要素である。
誰しも、いつも新しいことはやってみなければ自信はないし、
プレッシャーを感じない仕事は、クリアしても楽しくないだろう。
これらは、管理職の仕事に限らない。

逆に言えば、こういう要素のない仕事をいくらこなしても、
達成感も成長感、存在感も味わえないのではなかろうか?
仕事というのはそもそも、出来ないことが出来るようになったり、
高い負荷に挑戦して達成できた時に、おもしろさを感じるのだと思う。

このようなことを理由に管理職になることを躊躇している女性が
多いとしたら、非常に残念である。
管理職の仕事は、思いもしなかったような成長を自分に与えてくれる。
私は同じ女性として、世のキャリア女性に是非、もっと積極的に管理職に
チャレンジしてもらいたいと願う。