先月配信のメルマガ「ユニゾンTOPICS Vol.19」より、
「リーダーシップの“へそ”〜左脳偏重型リーダーシップの落とし穴〜」
を公開いたします。

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一般に、左脳は論理的思考を、右脳は直観的思考をつかさどると言われている。
私は脳の専門家ではないので事の真偽は定かではないが、この説に則れば、
昨今の管理職は左脳型リーダーシップを発揮するタイプが多いようである。

管理職研修を担当していても、
論理的思考能力に問題がある管理職はほとんどいない。
むしろ、論理的思考能力が高すぎるのではないか?
と思われるほど優秀な管理職も多い。

そのような方に話を聞いてみると、
彼らが論理的思考を重視する理由をうかがい知ることができる。
代表的な話は以下のようなものである。

「若い部下は頭で理解しないと動いてくれない・・・」
「筋の通らない話は聞いてさえもらえない・・・」
「部下に理不尽な思いはさせたくない・・・」

そこには、理にかなった方向で部下を動かしたい・動かすべきであると考えて、
実践しようとしている管理職の姿が見受けられる。

今日日、ビジネスにおいて論理的思考能力は欠くことのできない能力である。
ところが、ことさらに論理的な納得感を得ようとするがゆえに、
かえって部下のモチベーションを下げてしまうリーダーがいる。

一言で言ってしまえば、
論理を重んじるがあまり、部下の感情を疎かに扱ってしまうリーダーである。

極端な例を引けば、
着任間もない、部下からすると名前しか知らないような管理職が、
会社の現状と自分たちの部署が置かれている立場、
今後やり遂げなければならない目標と、
その目標に到達するためのあるべきプロセスなどを、
それこそ理路整然と部下に説いたとしよう。

部下はグーの根も出ない。
お説ごもっとも、「ハイ、頑張ります!」と答えるしかないであろう。

しかし、部下の感情を推し量ってみるとどうだろう?
この管理職に対して、押しつけられ感や反発心は湧いてこないだろうか。
感情の繋がりが構築されていない人間関係において、
論理的思考に頼った説得は相手にとって、
納得感の押し売りと受け取られる危険性が高いのである。

リーダーの論理的思考能力の真価は、
部下がリーダーから、リーダーが部下から
「好感を持たれ・信頼され・期待され」
ていると相互に感じられる関係が構築されて、初めて発揮されるのである。

上司・部下の関係に限らず、
大半の人間関係において、感情は論理に勝るからである。