最近、耳栓を買い求める人が増えている。
テレビのニュースでそんな情報を耳にした。

騒がしい公共の場、あるいは職場(!)で、
自分一人の世界に没頭したい人が利用しているそうである。

耳をふさぐ道具は耳栓に限らない。
携帯音楽プレイヤーのイヤフォンやヘッドフォンもそうである。
私も数年前までは好きな音楽を聴きながら通勤していた。

しかし現在は、通勤時にイヤフォンで音楽を聴くのをやめている。
公共の場において、耳をふさいでいることに違和感を覚えるようになったからである。
この違和感は、耳をふさいだ他人からもたらされた不快感と無関係ではない。

先日も満員電車に乗り込んだ際に、
イヤフォンをかけたサラリーマンがドアの近くでつり革を握っていた。
奥にスペースがあったので、彼に声をかけて中程まで進もうとしたのだが、
やはり声が届かない。仕方がないので、彼の体に軽く触れたところ、
「俺様のテリトリーを犯すな!」と言わんばかりの目つきで睨まれてしまった。

せめてもう少し、他人に興味や関心を示せるようになれないのだろうか。

そして、耳栓は物理的なものばかりでもない。
耳に詰め物はないのに、自分以外の他人に興味や関心のない人。
皆さんの周囲にもいないだろうか。