営業所で所長と部下の営業マンが話をしている。

所長:「○○君、この案件は今月決まるよね?」
部下:「ハイ、頑張ります!」
所長:「よろしく頼むよ!」

これだけの対話で、案件が決まることばかりなら管理職は要らない。
月末近く、同じ所長と営業マンが話をしている。

所長:「○○君、あの案件どうなった?」
部下:「頑張っているんですけど、決定権者が出張中で月末まで
    戻らないらしいんですよ」
所長:「何とか決まりそうなの?」
部下:「ハイ、頑張ります!」
所長:「何とか頼むよ!」

この案件が当月中に決まったかどうかはわかりません。けれども、この営業所長が、
靴の上から痒いところを掻くような気分になっているのは容易に想像ができます。

しかし、「ハイ、頑張ります!」の一言で、
部下が責任を引き受けたと考えるのは、お人好しに過ぎる管理職か、
目標達成の全責任を放棄した放任管理職くらいのものです。
いずれの管理職も早晩、その地位を追われることとなるでしょう。

上記のような場合、
この営業所長は明らかなミスリードを犯していると言わざるを得ません。

営業マンの「ハイ、頑張ります!」には次のような“下の句”が続いているのです。
「頑張りますけど、想定外のことがあるかもしれません。約束は出来ませんよ!」。

では、管理職たるこの営業所長はどうすれば良かったのでしょう?

所長:「○○君、この案件は今月決まるよね?」
部下:「ハイ、頑張ります!」
所長:「よろしく頼むよ。それで、次はいつ訪問するの?」
部下:「ハイ、なるべく早く行こうと思っています」
所長:「それがいい。今週中には行った方がいいよね」

まず、その案件に“いつ”着手するのかを明確にさせます。その上で、

所長:「今月中に決まるように私も支援するよ。案件の進捗情報も共有しようよ」

と管理職自らが、部下の案件にこだわっている姿勢を示すのです。

そして重要なのは、以下のように、
管理職がこの案件にこだわり続けることを明示することです。

所長:「ついては、進捗の共有方法なんだけど・・・
    私からの押しかけチェックで確認しようか?
    君の自主的な報告に任せようか?」

すると大半の部下は「私から自主的に報告しますよ」と言うでしょう。
そこですかさず、

所長:「わかった。では、毎週○曜の△時に報告してくれる?」

と報告の場を設けることを約束事にしてしまいます。
この約束を違えず、二度三度実行することで、
部下から自発的に相談が持ちかけられるようになるはずです。

「所長、あの案件なんですけど、ちょっと問題が発生しまして・・・」

仮にこの案件が今月中に決まらなかったとしても、
タイムリーな“報連相”がなされることは極めて大切なことです。

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