昨日に引き続き、モラール・クリエイターに関して。

当社では、モラール・クリエイターたるべき行動指針を12ヶ条にまとめている。
その一つに、「黄色信号を堂々と渡る」という指針がある。

研修で紹介する度に、受講者の方に「ん?」と怪訝な顔をされるのだが、
もちろん、交通法規に抵触することを勧めているわけではない。
ビジネスでの話である。

ビジネスの世界では、今日の成功に安住することは停滞を意味する。
持続的な成長を図るためには、常に未知の世界へ踏み込んでいかなければならない。

この新しい扉を開けるべきか否か?、
ビジネスパーソンは日々刻々、判断を求められているのである。

その時、「前例がないから・・・」とか、「私にはその権限がないから・・・」と
尻込みをして挑戦しないのは、自身と組織の成長の可能性を閉ざすことともなる。
新しい扉を開けた方が良いのか、素通りした方が良いのか、
社長であろうが、上司であろうが、それは誰にもわからない。

そこで、「黄色信号を堂々と渡る」のである。

組織によっては、赤信号は絶対渡るな!、黄色信号は危ないから渡るな!、
青信号はいつでも渡れるから渡るな!というような所もある。

しかし、ビジネスに“絶対安全”“絶対確実”はない。
そして、ビジネスはスピードこそ命である。
赤信号は細心の注意を払って渡る、青信号は素早く渡る、
黄色信号は「堂々と」渡ることが必要である。

堂々と渡ることで、挑戦を是とする集団性格が醸成されるのである。
当然、失敗することもある。それでも挑戦することを諦めない人が、
モラール・クリエイターと言えよう。

何にも増して重要なのは、彼らを支える組織の度量である。
挑戦をバックアップする上司や同僚の存在は欠かせない。
その上で制度として、挑戦を評価する仕組みがあればベストである。

皆さんの職場には、「黄色信号を堂々と渡れる」雰囲気があるだろうか?