バブルが弾け、多くの企業でリストラが断行されていた頃、
こんな笑い話をよく耳にしました。
当時の日本企業の管理職に専門性がないことを揶揄した話です。

転職の面接に訪れた元管理職が面接官に尋ねられます。

面接官 :「○○さんは何ができますか?」
○○さん:「はい、部長ならできますが。」
面接官 :「・・・(絶句)」

以来20年近く、管理職には業務のエキスパートであることを
求められ続けてきた感があります。
デキる管理職とはデキるプレイヤーである、そのような価値観は
大半のビジネスマンに浸透しているのではないでしょうか。

ところが昨今、
管理職を取り巻く環境の風向きが変わってきたことを感じます。

研修業界においても、つい数年前までは、
例えば、営業マンの営業力やプレゼンテーション力を高めるような、
業績に直結するスキル系の研修プログラムが多く実施されてきました。

しかし最近は、管理職の研修、
それもリーダーシップの開発やマネジメント能力の強化といった、
リーダーとしての自覚とその役割に相応しい立ち居振る舞いを
身につけることを目的とした研修を実施する企業が増えています。

そのような企業は九分九厘、
管理職に管理職たる専門性を持ってもらいたいと考えています。
単に部下のモチベーションを維持・向上させるだけではなく、
部下を育てることができる魅力ある管理職の存在こそが、
次代の我が社を発展させる原動力であると確信しているようです。

これからの管理職は、
業務のエキスパートであるだけでは責任が果たせません。
人間的な魅力に溢れ、部下を育てることができるマネジメント能力を
身につけた管理職のエキスパートであることが必要なようです。

「私、部長ができます」
昔とは違った意味で、軽々しく口にはできない時代です。