私の知り合いに、話をし出すと止まらない方がいる。
私自身もおしゃべり好きであると自認しているが、この方にはかなわない。

一般に、素晴らしく滑舌の良い人でも頭の回転の速さには追いつかない、とか、
しゃべれることは考えていることのほんの一部に過ぎない、などと言われる。

しかし彼は、その通説が間違いであることを立証するかのごとく
とにかくしゃべくりまくるのである。
いつもそんな具合なので、
私は、彼が何を言いたいのかをほとんど理解できないでいた。

ところが先日、
彼が他人に話しかけている様子を見ていて驚いた。
何を話したいのか、よく理解できるではないか。
彼がしゃべりすぎを反省して話し方を変えたわけではない。
そこには得心できる理由があったのだ。

実は、彼は外国人との商談において慣れない英語で話していたのだ。
その様子を観察していて気がついたことがある。
英語にはわかりやすく話すためのヒントがあるようだ。

周知のことではあるが、英語では主語・述語が最初に出てくる。
そのため、誰が何をどうしたいのかが明確になる。

例えば彼も、
I think …(私は考える。…を。)
You said …(あなたは言った。…と。)
などを多用していた。主語・述語がはっきりするだけで、
いつもは伝わってこない彼の意志がストレートに伝わってきた。

加えて、余計な修飾語が少なくなることも大きいと感じた。
これは、彼がそれほど英語に堪能でないせいもあるだろうが、
枝葉がそぎ落とされたことで、結果的に要点がロジカルに伝わってきた。

この場面に遭遇して、社会人になって最初の上司に、
「仕事の場においては英語の文法を用いて話をせよ!」
と教えられたことを思い出した。

英語という言語そのものが、
ロジカルな表現をしやすい言語ということがあるのかもしれない。

私がこだわっている「日本語」を磨くためにも英語を学習しようかな。
初めて真面目に考えた出来事であった。
(unison2)