【unison2】
フィフティ・アワーズ代表取締役 水島温夫氏の講演を拝聴した。

『組織力を高めるリーダーシップ』というテーマ。
日本企業の組織特性をふまえ、日本企業の強みを発揮する為の
戦略やあるべき姿、マネジメント手法を紹介された。

中でも私が興味を持ったお話は、日本企業では組織において
4つの集団が存在する必要があるとのこと。

1つめの集団が「場…時間と空間を共有する集団」。
場の成果としては、きっかけや出会い。
2つめの集団は「サークル…価値観や問題意識を共有する集団」。
サークルの成果は、企画やコンセプトなど、場でのきっかけを青写真に描くこと。
3つめの集団は「チーム…明確な目標を共有するプロの集団(役割分担がある)」。
チームの成果は製品など、サークルで描いた青写真を形にすること。
4つめの集団は「グループ…同じ属性で分かれた集団」。
グループは存続することのみを成果とする。

日本企業では、この4つの集団が循環することによって、組織は活性化し、
社内から創意工夫を生み出すことが可能となるとのこと。
欧米企業(個人的には欧米と括るのは好きではないが)では、社内から
創意工夫を生み出すことはなく、アイデアや技術などは買ってくるのだと。

中でも「場」は、その始まりであり非常に重要な役割を果たす。
しかし、欧米企業はチームであり、それぞれ役割を持ったプロが集まった
組織であり、「場」や「サークル」を評価する指標を持っていない。
従って、創意工夫が生まれないとのこと。

水島氏は昨今、日本企業では「場」が消えつつあるとの警鐘を鳴らして
おられた。組織の中途半端な欧米化により、リストラが進み、「場」を持つ
余裕が無くなったと。

確かに、現在の組織では水島氏のおっしゃるところの「場」は減少した
かもしれない。と同時に、社内ブログや社内SNSが増加している。
これらは、必然として現代の組織に合った形で企業が、
バーチャルな「場」を提供しているのであろう。

バブルが崩壊し、危機感をもった日本組織は右にならえとばかり、
IT技術に関しても、経営やマネジメント手法に関しても、輸入
された技術や理論を鵜呑みにしてきた。

今、日本の景気は復活の気配を見せつつある。
日本組織ももう一度原点に戻り、己の力を信じて、その力を引き出す
ことに注力する時期にきている。
また、輸入したそれらを消化し、より日本にマッチした活用をすべく、
見直す必要がある。

SNS等の活用においても、技術の活用を日本の組織が必要とする形で
取り込むことが可能となってきた現れかもしれない。
理論や技術は道具であり、使う人間がいかに活用できるかにかかっている。
決して理論に振り回されたり、技術に使われたりしてはならない。

ユニゾンでは旧来から日本企業たるお客様と真正面から向き合い、
Maid in Japanを実践してきた。また、輸入されたものに関しても、
我々なり咀嚼し、日本組織に合った形でのご提供を心がけている。
チャーミングなコピーで、受け入れやすいという手合いの
プログラムとは異なるかもしれないが、より実践的であることを
最大のお役立ちだと考える。

今、我々のプログラムが見直されていることに裏付けをいただけた
ような講演内容であった。