ユニゾンTOPICS Vol.10掲載記事「温故知新:組織文化(風土)の改革<その2>」の
全文を掲載いたします。

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風土革新を論じる前に、もう少し組織風土の正体について考えてみたい。
組織風土とは、文字通り「風」である(社風、家風、校風と言われるように)。
「風」という言葉には、「教え、導き、教化」という意味がある。
つまり教えられ、感化された事が、いつのまにか慣習化して定着した状態を、
風土と言っているようである。
個人で例えれば、過去から学習して身についた意識、思考、行動のクセのようなものである。

組織風土の場合、教化したり感化したりする源になるものとして、
次のようなことが考えられる。

1.メンバーの過去の共通体験
  社員の多くが自衛隊出身という企業がある。
  指示、命令には非常に忠実という風土を持っている。

2.仕事の特性
  生産ラインと営業、ルート営業と新規開拓営業等、
  同じ企業内でもかなり異なった風土ができる場合がある。

3.トップのリーダーシップ
  超ワンマンであるとか、逆にサラリーマン社長が、
  コロコロ入れ替わる場合の影響は強い。

4.組織の生いたち
  合併とか前の会社の仲間達だけで創った組織等で、特定の風土ができあがる。

5.教 育
  教育の行き届いた組織は風土も良い。
  国の教育水準の高低が文化差を決めるようなものである。

6.組織内の制度やシステム
  人事考課制度、ローテーション、管理システム等のあり方は、
  風土に強い影響を与える。

7.外部環境からの影響
  業界の慣例、競争の激化、地域の生活様式等も風土に関係をもつ。

8.状況の突然の大変化
  トップの急逝、震災、倒産の危機等は、急激な精神的混乱を起こし、
  メンバーの心理に強いインパクトを与える。   

9.持続的な儀式、儀礼
  特に宗教団体のような組織で行われるおごそかな儀式は、
  そこ独特の文化をつくりあげるのに効果的である。

以上のように見てくると、風土革新のためには、いくつかの要点が浮びあがってくる。

これらのことを踏まえながら従来行われている風土改革のやり方を整理すると、
大体次のようになる。

1.制度的アプローチ
  組織機構の見直し、諸制度の改廃、全社会議等の開催
2.戦略的アプローチ
  新規事業、新規ルートの開拓、新商品の開発等
3.人事的アプローチ
  新規採用、評価基準の見直しや昇降格、ジョブ・ローテーション
4.運動体的アプローチ
  ビジョンづくり、○○運動、キャンペーン等
5.OJT的アプローチ
  日常の仕事を通じての指導、日常のリーダーの言動が大切
6.教育的アプローチ
  教育の繰り返しが重要
7.モデルづくりアプローチ
  一点突破全面展開の要領で、成功例をまずつくりあげる
8.儀式や共通言語づくりアプローチ
  意義や考え方からではなく、まず形から入る

これらのやり方は、単発で実施されることはまずない。
複数の方法を同時的に 採用して、推進する必要がある。
その場合、次の3つのことを少なくとも留意しておくことが重要である。

1.トップ自身がまず肚を据えて、改革の決意を固める

2.推進母体は、上下左右に影響力を持ったメンバーにすること。
  一般企業の場合は、課長または係長クラスである。
  ロジャースのイノベーション理論によると、
  流行(ファッション)は次のような段階で浸透するという。

革新者(3.5%) → 初期採用者(12.5%) →前期採用者(34%)→後期
採用者(34%) → 遅滞採用者(16%)

流行の鍵を握るのが初期採用者で、周囲に対する影響力を持っているという。
組織風土の改革にも参考になる考え方である。

3.辛抱強く、あきらめないで続けることが不可欠である。
  人間で言えば、無意識の中に刷り込まれるぐらいにならないと、
  習慣化はしないものである。少し変わったと思って手を抜くと、
  すぐ元に戻ってしまうものである。