メルマガ連動TOPICS「ユニゾンTOPICS Vol.6」
『営業よもやま話〜三の句を継げる〜』の全文を掲載します。


前回掲載した「雑談力を磨く」に関して、
読者の方から「具体的にどのようにしたら雑談力が磨けるのか?」
という質問を頂戴しました。
商談はもとより、職場の上司や同僚とうまくコミュニケーションを取れない、
もう少し自然に会話ができるようになる方法はないものか?というものでした。

処方箋になるかどうかは別としても、今回はコミュニケーションを円滑に図るため、
私が普段心がけていることをご紹介いたします。
それは、自分から「三の句を継げる」ということ。

呆れてものが言えない様を「二の句が継げない」と表現することがあります。
相手に対して「二の句が継げない」ような「一の句」を投げかけるのは
御法度ですが、大抵「二の句」までは会話が続きます。例えば、

自分「いやぁ、今日は本当に寒いですね」
相手「そうですね」

雑談が苦手な方同士でも、ここまでのコミュニケーションは成立します。
問題は、この先どちらが言葉を発するかです。

相手が「そうですね」「風も強いみたいですね」と会話を繋いでくれると、
自分としてはグッと話がしやすくなります。
逆に「そうでうすね」「・・・」となると「次は何を話そう?」と
緊張を感じさせるような場となってしまいます。

つまり「三の句を継げる」ことは、相手が話しやすい空気を作ることなのです。

私は(商談の立ち上がりなど緊張を強いられる場面では特に)、
必ずこちらから三の句を継げるように心がけています。
先の例を引くと、

私  「いやぁ、今日は本当に寒いですね」
相手 「そうですね」
私  「ただ電車の中は蒸しますねぇ。大汗をかいてしまいました」

これで相手が乗ってきてくれない場合は、
「これだけ寒暖の差があると風邪が流行るのもわかりますね。
 ○○さんの職場では流行っていませんか?」と質問を投げかける。

三の句を継げることで大切なのは、

「会話を膨らませる『なにがしか』の話題を交えること」と
「質問の形で相手に投げかけること」だと考えています。

雑談が苦手な人は『なにがしか』の話題探しに苦労しているケースが多いようです。
気の利いたことを話そう、などと意識すると何も出てこない。

一番簡単なのは、自分の話題を取り上げることではないでしょうか。
私など、ほとんどすべての三の句が一の句・二の句の感想や、
それにまつわる自分のエピソードです。
自分のことを話すことで、相手の緊張感を和らげ、
心理的距離を縮める効果もあるように感じています。
普段から努めて色々な情報に接し、自分なりの考えや意見、感想を持つことは、
コミュニケーションを図る上でも非常に重要なのではないでしょうか。

また、雑談が苦手な人には、質問が苦手という面もあるようです。
一方的に話をする人、あるいは、自分から会話に参加をしないような人とは、
大半の人が進んでコミュニケーションを取りたいとは思わないでしょう。
一般的に言われているように、会話のキャッチボールがあって、
初めてコミュニケーションが成立することは間違いないようです。

質問が苦手な人には、欧米人の会話がヒントになると思います。例えば、

Mr.A「ハーイ、Mr.B!元気?」
Mr.B「元気だよ、Mr.A、君は?」
Mr.A「もちろん元気さ、週末は何をしていた?」
Mr.B「映画を見に行ったよ」
Mr.A「どうして?」「どこに?」「誰と?」「何の映画?」「で、どうだった?」

この例を英語の教科書に限った話などと思わないで下さい。
外資系企業に務めている複数の知人から聞いた話では、欧米人は
普段のコミュニケーションからこの調子の方が多いそうです(極端な場合、会う度に)。
お気づきだと思いますが、「5W1H」(ユニゾンでは「6W2H」と紹介しています)で
質問を投げかけることは、やはり話を広げたり深めたりする効果があり、
会話を成立させる有効な手段となります。
三の句を継げる際にも「5W1H」をベースに「あなた(あるいは貴社)は?」と
質問するよう心がけてみると、会話が弾むようになるかもしれません。

「三の句を継げる」ことは、
商談や職場でのコミュニケーションを図る上で重要であるのはもちろん、
身近な人とのコミュニケーションにこそ大切だと思っています。
友人やご家庭での会話はいかがでしょうか?

妻  「夕食、ハンバーグにしたんだけど」
夫  「ああ」
夫妻 「・・・・・」

心理的に、妻または夫と一定の距離を保っておきたいのであれば別の話ですが。