メルマガ連動TOPICS「ユニゾンTOPICS Vol.4」
『営業よもやま話〜営業職のスペシャリティ〜』の全文を掲載します。


景気が上向いてきているからなのか、
営業職の人がそもそも減少しているのか、
理由は定かではありませんが、
営業職の派遣や営業代行・請負のビジネスが広がりを見せているといいます。
弊社のお客様企業からも営業職の採用に力を入れているものの、
なかなか良い人材が集まらない、という話をよく聞きます。

今、「できる営業職はつぶしがきく」ということなのでしょうか。

私は数年前まで、近い将来、営業職はなくなるのではなかろうか、と
真剣に考えていたことがあります。
インターネットの普及で営業が伝えるべき情報は簡単に入手できる世の中となり、
企業を含めた消費者が営業マンとのコミュニケーションを望まなくなるのでは?
と、そのように考えていたのです。

昨今の状況を見てみれば、それは杞憂だったようです。
しかし、単に営業の頭数を揃えれば事が足りるのか、というと、
どうもそんな単純なことではなさそうです。
弊社もセールスインテグレーション(営業代行)サービスをご提供していますが、
企業が求める営業活動の成果はますます細分化されてきていることを感じます。

大まかに分けると上流工程と下流工程で、
営業活動に求められるクオリティがかなり異なってきています。
膨大なリストから実績に繋がる可能性が高い案件をスクリーニングする下流工程と、
より専門的な知識と提案力とで実績に繋げる上流工程。

前者はアウトソース化が進み、
後者は優秀な営業マンを採用して徹底的に教育を施し、囲い込む。
そのような流れになってきていることを実感します。
企業に属する営業マンには、
一層のスペシャリティ向上が求められる時代になってきたのでしょう。

では、営業マンに求められるスペシャリティとは一体どんなものなのでしょうか?

多くの要素がありそうですが、ここでは「アンテナ」というキーワードに限定して、
お客様と企業それぞれの立場から考えてみます。

お客様からすれば、ありとあらゆる情報がネット上に公開され、中には
営業マンが知らないような裏話や評判まで知りうる状況にあります。
たとえ熱心でも中途半端な情報武装しかされていないとしたら、
その営業マンから購入することはまずないでしょう。
商品知識や業界知識、お客様に関する情報はもちろんのこと、
幅広い情報を収集し、お客様に発信できる「アンテナ」が求められています。

一方、企業からすると、商品を販売するだけの営業マンから、
お客様の声の強弱を関知して社内に発信する「アンテナ」を持った営業マンへ、
変化を求める傾向が強くなっているように感じます。
コンタクトセンターやネットからは届きにくい現場の感覚を的確に掴みたい、
さらにはビジネスを広げる着想をもたらしてくれることをも営業マンに期待しています。

いずれの場合も、「アンテナ」の感度・向き・発信する信号の強さなどは
個々の営業マンによって様々です。
厄介なのは、この「アンテナ」が営業マンのスペシャリティにおいて
極めて重要な要素であるにもかかわらず、ほとんどが個人に内在している点であり、
これを訓練で磨いていくのが非常に難しいということです。

なかなか良い人材が集まらない、というお客様企業のお話を伺うたびに
「つぶしがきく、できる営業マン」が実は非常に少ないのでは、と考えさせられています。