ユニゾンのENSEMBlog

「人と組織のマネジメント」にユニークな価値を提供し続ける企業
「株式会社ユニゾン」
マネジメント研修を事業のドメインに据える
同社の社長とスタッフたち(ときどき)とで綴るブログです。
頻度はそこそこ、中身は真面目にがモットーです。

2009年05月

父親の仕事

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まずは 10日ぶり!のエントリーとなってしまいましたこと、
当ブログにお越しの皆さまに深くお詫びを申し上げます。

久々のエントリーは、サボタージュの言い訳にかこつけて…。

正確には色々な経緯があるものの、私は 2代目社長である。
父親からこのユニゾンという会社の“経営”を引き継いだわけだが、
もう1つ、父親から引き継がなければならなかったものがある。

それは父親のプレイヤー業である“研修講師の仕事”である。

息子の目から見れば、私の父親はユニゾンの経営者である以上に、
ユニゾンの本業を支えている看板講師であった。

私がユニゾンに転職した当初は、この仕事に魅力を感じられず、
“新しい事業を興したい”などいう青臭い想いが強かったため、
自らが講師という仕事をすることに対して激しい抵抗感があった。

しかし、世の中そんなに甘いものではない。
私が入社して1年も経たない時期に、ベテランの講師が相次いで
この会社を去り、本業の存続すら危ぶまれる状況になった。

これは今だから言えることだが、当時の苦境がなかったら、
私は社長業を引き継ぐ覚悟を固めることはできなかっただろうし、
自らがユニゾンの看板講師となろうという決意もできなかったと思う。
もっと言ってしまえば、ユニゾンの経営を存続させるためには、
自らが売れっ子の講師にならなければならなかったのだ。

以来、父親を含めた先達に師事して“講師という仕事”を
学びながら、自らも研修講師としての場数を踏んできた。
ここ数年は、お客様から名指しでご指名いただく機会も増え、
この仕事で身を立てていくことに確信が持てるようにもなった。

しかしながら、まだ越えきれていない壁もある。
それは、ユニゾン創業以来ずっと、プレイヤーとしての
父親の仕事に信頼を寄せて下さっているお客様企業からの、
研修講師としての私に対する信頼の引き継ぎである。

先代は元気に講師業を続けてはいるものの、
次代の経営を確固たるものとしていくためには、いつまでも
彼に“看板講師”としての仕事をさせるわけにはいかない。

従って、3年前から彼の講師としての仕事を私が担当することで、
ほぼ順調に先代のプレイヤー業を引き継いでこられている。
それでも、「どうしても堤先生(先代)にお願いしたい!」
というお客様もいらっしゃって、そのようなお客様に対しては、
無理に他の講師(主に私)をお薦めすることはしないできた。

だが、先代も今年で72歳。
この2月に彼が非常勤顧問に就任したことを機に、前記のような
お客様に対しても、講師としての私を積極的に提案している。

そしてこの2週間、先代の看板研修を私が講師として引き継ぐ、
という複数の大仕事が立て込んでしまった…、
というエントリーをサボタージュした長い長い言い訳である。

さて、それらの大仕事の成否はお客様がお決めになるものとして、
私自身は、父親のプレイヤー業を自らの仕事としたことによって、
余人があまり味わうことのないであろう仕事の厳しさと面白さを、
今まで以上に感じることができた貴重な経験となった。

グローバル人材の育成

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グローバル人材の育成は、企業の人材開発において重要なテーマである。

海外市場に軸足を移しつつある企業にとってはもちろんのこと、
現在は国内市場を中心にビジネスを展開している企業でも、
今後はグローバル人材の育成に力を入れていかなければならない
と考えているところが増えている。

しかし、グローバルに活躍する人材を“いかに”育成するのか?
という点においては、未だに暗中模索といった企業が多いようだ。

既に数年前から具体的な育成プランを実施に移している企業でも、
“英語力の向上”や“欧米の法律・会計・マネジメント手法の習得”、
“異文化の理解”など、主に知識をインプットしようとする教育が
主体となっている。

“それで本当にグローバルで通用する人材が育つのか?”という議論は、
先んじてグローバル人材の育成に着手した企業を中心に活発化している。

私たちユニゾンは、極めてドメスティックな企業である。
それでも、グローバル人材の育成、特にリーダー層の育成に関して、
お客様企業からご相談を受けることが少なくない。

先日も某大手企業の人事責任者の方と、グローバル市場で活躍する
リーダーの育成手法について、意見交換をする機会があった。
非常に有意義な議論の場とはなったものの、“これが解だ”と
思えるような処方箋は、両者とも見つからずじまいであった。

悶々とした気持ちを抱えたまま、今日久方ぶりにお会いした
私の恩師でもある大先輩のMさんに、この疑問をぶつけてみた。
さすがは、海外でのビジネス経験も豊富なMさん。
主に2つの観点から、私の足りない部分を補ってくれた。

1つ目は、企業という狭い観点だけでグローバル人材を捉えないこと。
ビジネス以外でも海外で活躍している日本人は数多く存在する。
例えば、スポーツ、芸術、学術、医療、NPOなどの分野で、海外から
高い評価を得ている日本人の存在を忘れてはならない。
外資系企業などをベンチマークするだけでグローバル人材を定義
しようとすること自体に無理がある、とのこと。

2つ目は、国内で通用しない人材は海外でも通用しないということ。
外国語ができるということと海外で活躍できることは同義ではない。
少なくとも、日本で鳴かず飛ばずだった人材が、海外で大活躍した
などいう話は聞いたことがない、とのこと。

そんなMさんの話を聞いていて、私たちにもまだまだ考えられる
ことがありそうだという気がしてきた。
Mさん、ありがとうございました!

マスク前線猛進中?

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本日(5/18)時点で、139人の感染が確認された新型インフルエンザ。

今のところ、感染が確認されているのは兵庫と大阪だけのようだが、
遠からず、感染が各地に広がると想像しているのは私だけではないだろう。

不謹慎な物言いをお許しいただくなら、
この新型インフルエンザ騒動で嬉しい悲鳴を上げているのが、
マスクメーカーではないだろうか。

関西のJRや私鉄では、利用客にマスク着用をお願いする
アナウンスを流しているそうだし、首都圏の学校や企業でも
マスク着用を呼びかける所が出てきていると聞く。
中には、数万枚単位でマスクを備蓄する予定の企業もあるそうだ。

“このままだとマスクが品薄になる!”
買いそびれることを恐れた弊社のスタッフが、昼休みに、
会社近くの薬局やコンビニをくまなく回ってマスクを探してみた。
しかしどの店も品切れで、1枚のマスクも見つけることができなかった。

その話を聞いた私も、会社帰りに自宅近所を探してみた。
数件のドラッグストアを回ってみたものの、見つけることができたのは
1個数千円という高価な値付けの大仰なマスクが数個だけ。
それ以外のマスクは、すべて品切れ状態であった。

しばらくは、マスクを入手するのが困難な状態が続くかもしれない。

それにしても、この不況下でもマスクメーカーには追い風が続いている。
花粉症が一段落したかと思えば、それもつかの間、この騒ぎだ。
やっかみ半分に穿った見方をすれば、莫大な広宣費をかけることなく、
大々的に宣伝を流してもらっているようなものだとも言える。

こんな時だからこそ、メーカーは安定供給に一層努力してほしい。

休日の研修に思う

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私たちユニゾンの研修は、
金曜・土曜の2日間を使って実施されることが多い。

これは、私たちユニゾンが管理職層やリーダー層を
対象とした研修を得意としていることと無縁ではない。

なぜ、管理職研修やリーダー研修が休日絡みで実施されるのか?
その最大の理由は、平日に彼らを研修に出席させると業務が
滞ってしまうという恐れが、企画者サイドにあるからだ。

本当に業務が滞ってしまうかどうかは別としても、実際に
彼ら管理職やリーダーが現場を離れられない職場は多い。

彼らが“名ばかり管理職”やプレイングマネージャーだから
現場を離れられないなどと言っているのではない。
部長、本部長、事業部長という肩書きを持った上級管理職ですら、
現場を離れられなくなっている職場が少なからずあるのだ。

どうして、彼らはこうも忙しいのか。
私は“行きすぎた内部統制”が1番の理由ではないかと考えている。

コンプライアンス、情報セキュリティ、種々の労務管理…
時代の要請だから仕方がない、と言ってしまえばそれまでだが、
上級管理職がすべての意思決定に目を光らせていなければならない
というような職場が、そこで働くメンバーの意欲をかき立てる環境
であるとは到底思えない。

私は、参加して下さる方々が休日を返上しなくても良い
管理職研修・リーダー研修が増えることを願っている。

社章の効果

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私が社会に出たばかりの頃、背広姿のビジネスマンのほとんどは、
自社の社章を上着のラペルに付けていた。かく言う私もそうであった。
社章を紛失してしまい、始末書を書いたなどいう苦い思い出もある。

もちろん、今でも社章を付けたビジネスパーソンは存在する。
私の印象では、長い歴史を持っている大手企業や金融業界、
特に銀行や生保にお勤めの方に社章を付けている方が多いと感じる。
それでも往時に比べれば、現在は圧倒的に“社章なし”が優勢だ。

いつの頃からだろう、社章を付けたビジネスパーソンが減ったのは…
まったく個人的な見解だが、その時期はバブル崩壊後に重なると思う。

日本企業の多くがリストラを進める課程で、
年功序列や終身雇用といった価値観は雇用者から失われていった。
そして、自分が勤める会社に対するプライドやロイヤリティも低下した。

経営側の姿勢も変化した。
自社に対して高いロイヤリティを有する人材よりも、
自社に対するロイヤリティは低くても高い成果をコミットしてくれる、
そんな会社にしがみつかない人材を求めた。

そんな時世がしばらく続き、社章を付けたビジネスマンは少なくなった。

その間に女性の社会進出が進んだこと(女性の上着には、男性の背広の
ラペルに付けるタイプの社章は付けづらい)や、クールビズに象徴される
ビジネスカジュアルファッションが浸透したことなども、“社章離れ”の
要因として挙げられると思う。

ところが昨今、社章復権の兆しがあるようだ。これは一部の企業で、
社員寮・社員旅行・社歌を復活させようとする目的と同根だろう。
すなわち“社員の一体感を高める”ことを狙っての社章復権である。

つい先だっても、私たちのお客様でもあるベンチャー企業の社長から、
自社の社章を初めて作るという話を聞いた。狙いは、前記の通りである。
驚いたのは、社章を作ることを発案したのは若手社員の有志だったことだ。

若かりし頃の私たち世代の大半は“社章なんてダサイ”と思っていた(はず)。
その会社で社章を発案した若手社員たちは、そんなことは考えなかったそうだ。
時代は変わるのだ。

社章を付けることで社員の一体感が高まるかどうか、正直私は懐疑的である。
しかし別の理由から、私は社章復権を歓迎する立場を取る。

それは、社章を付けるビジネスパーソンが増えることで、例えば通勤電車や
公共の場での“大人のマナー向上”に一役買ってくれるのではないか?
という期待を抱いているからである。

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ユニゾンで1番の読書家は、おそらくシノちゃんだ。

彼女のすごいところは読書量だけではない。
話題の小説からレアな教養書まで、幅広い分野の本を読む。
読書傾向の偏りが、とても小さいのだ。

読まず嫌いで手に取らない本が多い性質の私は、
自らの読書の幅を広げるために、時々彼女にお薦めの本を問う。

凍
連休前に彼女が薦めてくれたのがこの本。
“凍える”と書いて“とう”と読ませる、
『凍:沢木耕太郎(著)』。

私が滅多に読まないノンフィクションものだ。
彼女がこの本を薦めてくれた際のコメントは…
「夫婦で絶望的なビバークするところなどは、
 本当にハラハラした。単純に面白いと思う」
だった。

ビバークと言えば冬山の登山である。
いくら私の読書先生であるシノちゃんが薦める本でも、
私はこの本にあまり期待を持てなかった。

私の身の回りにも、登山を愛する友人知人たちがいるのだけれども、
彼らにいくら登山の素晴らしさを宣伝してもらっても、私の気持は
ついぞ動いたことがない。どうしても気乗りできない分野なのだ。

そう言った訳で、この本は“前のめり”で読み始めたのではない。
最初は使命感?からページをめくっていた。
しかし、かえってそれが良かったのかもしれない。

この本は、世界的なクライマーである山野井泰史・妙子夫妻が、
ヒマラヤの“ギャチュンカン”という山の難壁に挑んだルポルタージュである。
その過酷な道程は、凄絶という形容以外の言葉が見つからない。
シノちゃんが話していた“絶望的なビバーク”は、確かに絶望的だった。
ハラハラしながら、私も一気に読み終えてしまった。

世に山に惹きつけられる人のいる理由が、私にもほんの少しわかった気がした。

合理的な博愛、合理的な利他主義

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連休が明けて間もなく1週間が経つというのに、
当ブログの更新は未だ連休中といった状態で大変失礼いたしました。
本日より当ブログも連休明け、鋭意更新して参る所存ですので、
今後とも『ユニゾンのENSEMBlog』をよろしくお願い申し上げます。

さて、本日のエントリーは“合理的な博愛”について。
これは、連休中にNHKで放送されていたジャック・アタリ氏への
インタビュー番組で、氏が語っていた言葉である。

不勉強な私は、ジャック・アタリ氏なる人物を知らなかったのだが、
その著書『21世紀の歴史』で、現在の金融危機を予見していたとして
注目を集めているフランスの経済学者・思想家であるそうだ。

インタビューの中で彼は、今後も人類が生き残っていくためには、
『合理的な博愛、合理的な利他主義』という価値観に基づいて
行動する新しいタイプの人類(トランス・ヒューマン)の出現が
キーになってくる、というようなことを話していた。

以下は私個人の理解と憶測を含めて書き進めることにする。

『合理的な博愛、合理的な利他主義』とは、“合理的”という言葉が
示す通り、博愛や利他主義が自らの利益に結びつくという価値観だ。
いわば、この国の諺にある“情けは人のためならず”である。

アタリ氏によれば、今後一層のグローバル化が進行するにつれて、
この伝統的ともいえる価値観が、一般的な市民の間においても
現実味を伴って浸透してくるという。

今現在の世界に生きる私たちにとっても、例えば、遠い外国の紛争が
自国の経済を悪化させたり、海外で発生している貧困や病気が自分の
平和や健康を脅かしたりするであろうことは、容易に想像ができる。
ただし、その考えを自らの行動に結びつけようとする人は少ない。

アタリ氏は、一層のグローバル化がもたらす1つのシナリオとして、
“自らのために”世界人類がおしなべて健康で平和な状態にあること
を希求して“行動する”人々が増えるだろうと予見しているようだ。

しかしながら、一方で氏はこうも話していた。
「ひょっとすると、人類の21世紀・22世紀はないかもしれない…」

私なりに理解したのは、長らく理想主義的な思想の域を出なかった
“博愛”や“利他”といった考え方を、我々人類1人ひとりが
実践していかなければならないタイムリミットが迫っている、
ということである。今度、彼の著作を読んでみようと思った。

三笠

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今年のゴールデンウィークは、8日間という長いお休みをいただきました。
ひょっとすると、ご迷惑をおかけしたお客様もいらっしゃるかもしれませんが、
どうぞお許し下さい。ユニゾンは、明日(5/7)より平常営業いたします。

三笠公園
さて、この長いゴールデンウィーク、
私はどんな休暇を過ごしていたかと申しますと、
例年のことながら、原則巣ごもり。
ゆっくりと過ごさせてもらいました。

唯一の例外がこれ。

「坂の上の雲」を読んで以来、一度訪れてみたかった
横須賀にある三笠公園に出かけてきました。

日露戦争時、連合艦隊の旗艦であった戦艦「三笠」。
ロシアのバルチック艦隊を、後世“東郷ターン”と呼ばれたその戦術で
打ち破った日本海海戦の様子は、「坂の上の雲」でも詳細に描かれています。

皇国の興廃この一戦にあり出かけたのは、5月1日(金)。
ETC割引のない平日だったこともあってか、
自宅から車で1時間半ほどで到着しました。

前の写真の通り、東郷さんの銅像に出迎えられて、
入場料500円を払い、早速艦内に入ってみました。

私が感激したのは、艦橋に立ってみた時。
東郷司令長官は海戦中ずっと、
艦橋から動くことがなかったと言われています。
(左の写真は東郷さん直筆の書)

艦内の展示物をじっくりと見て回り、
不定期に上映されている「海ゆかば」のダイジェスト映画まで見て、
正味3時間近く「三笠」を堪能して参りました。

Z旗
 土産の1つとして買ったのが
 この「Z旗(ぜっとき)」。

 決戦を前にして、
 『皇国の興廃この一戦にあり、
  各員一層奮励努力せよ』との意を込めて、
 このZ旗が「三笠」に掲げられたそうです。

現在、私たち日本人は平和を謳歌しています。
苦しい環境に置かれている人々は少なくないとは思うものの、
それでも、不特定多数の人間が武力で殺されるなどいう事態を
現実に想像している人は数少ないでしょう。
「三笠」が現役だった頃の日本はそうではなかったのだろうと思います。

私たちは、もっともっと自分たちの歴史を学ばなければならない、
その思いを一層強くしたゴールデンウィークの「三笠」観光でした。
ユニゾンの書籍


『はじめての管理職100問100答』

(株)ユニゾン 堤幸政/河村亜紀 著

明日香出版社

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