個人に個性があるように、組織にもその集団が持つ個性がある。
組織の個性を決定づける要素はいくつかある。中でも、
その組織における「縦の統制」と「横の統制」がどのように作用しているかは、
その組織を預かるリーダーのリーダーシップを考える上で極めて重要な要素と言える。
ここで言う「統制」とは、集団をコントロールする力のことである。
そして、「縦の統制」とは主に、上役が打ち出す方針や指揮・命令、
あるいは、評価や人事異動といった賞罰を含むフォーマルな統制である。
一方、「横の統制」とは、その組織を構成しているメンバーの心理や意識によって
もたらされるインフォーマルな統制である。
「縦の統制」に関しては、後日取り上げるとして、
今回は「横の統制」とリーダーの役割について触れてみたい。
「横の統制」の具体例は、営業組織を想像してみるとわかりやすい。
メンバーの中で自分一人だけが予算を達成していないような場合、
どのような心理状態になるだろうか。
おそらく、大方は「早く予算を達成しなければ!」と焦るのではなかろうか。
このような心理を持つのは、その組織において“目標未達であることは恥である”
という暗黙の合意が「横の統制」として機能しているからである。
また、これとは逆の例もある。
メンバー全員が常に目標未達で終わっている営業組織では、
大半のメンバーにとって“目標未達であることは恥ではない”。
目標未達が当たり前なので、
ひどい場合には、一歩抜きん出ようとするメンバーに対して、
他のメンバーが足を引っ張るような言動に及ぶことまで起こりうる。
このような「横の統制」が働くことで、
“業績意識の高い組織”や“業績意識の低い組織”という組織の個性が
形作られることがあるのである。
「縦の統制」を強化しても組織の体質がなかなか変わらないという場合、
リーダーは、この「横の統制」に着目する必要がある。
「横の統制」は、誰かの指揮・命令によってもたらされるものではない。
しかし、「横の統制」に大きな影響力を持つメンバーが存在していることが多い。
例えば、
業績はピカイチなのに報告書の納期を守らないメンバーが影響力を持っている組織では、
皆が揃って報告書納期を守らなくなる、というようなケースがある。
あるいは、その組織での仕事経験の長いスタッフが、リーダー不在時に
“虎の威を借る狐”のように振る舞っている、などというケースもある。
組織を預かるリーダーは、
このような「横の統制」に大きな影響力を持ったメンバー、
言うなればその組織の“影のリーダー”と、その他のメンバーとの関係に
アンテナを張っておかなければならない。その上で「縦の統制」を強行するのではなく、
「横の統制」に変化を生じさせる手を打つのである。
リーダーが打つべき手は様々考えられるが、
基本となるのは、その組織を引っ張り上げるメンバーを育成することであろう。
そのとき、育成対象とするのは“影のリーダー”とは限らない。
「誰」にこだわれば「横の統制」に変化を生じさせることができるのかを、
リーダー自身が見定める必要がある。
そして、そのメンバーを強制的に育てようとするのではなく、
本人が「よし、やろう!」とその気になるように、
粘り強く働きかけることが肝要である。
リーダーとしての自分の「想い」と、本人への「期待」に共感してもらうのである。
「横の統制」に変化を引き起こすことができれば、「笛吹けども踊らず」
というリーダーのフラストレーションも軽減されてくるはずである。
組織の個性を決定づける要素はいくつかある。中でも、
その組織における「縦の統制」と「横の統制」がどのように作用しているかは、
その組織を預かるリーダーのリーダーシップを考える上で極めて重要な要素と言える。
ここで言う「統制」とは、集団をコントロールする力のことである。
そして、「縦の統制」とは主に、上役が打ち出す方針や指揮・命令、
あるいは、評価や人事異動といった賞罰を含むフォーマルな統制である。
一方、「横の統制」とは、その組織を構成しているメンバーの心理や意識によって
もたらされるインフォーマルな統制である。
「縦の統制」に関しては、後日取り上げるとして、
今回は「横の統制」とリーダーの役割について触れてみたい。
「横の統制」の具体例は、営業組織を想像してみるとわかりやすい。
メンバーの中で自分一人だけが予算を達成していないような場合、
どのような心理状態になるだろうか。
おそらく、大方は「早く予算を達成しなければ!」と焦るのではなかろうか。
このような心理を持つのは、その組織において“目標未達であることは恥である”
という暗黙の合意が「横の統制」として機能しているからである。
また、これとは逆の例もある。
メンバー全員が常に目標未達で終わっている営業組織では、
大半のメンバーにとって“目標未達であることは恥ではない”。
目標未達が当たり前なので、
ひどい場合には、一歩抜きん出ようとするメンバーに対して、
他のメンバーが足を引っ張るような言動に及ぶことまで起こりうる。
このような「横の統制」が働くことで、
“業績意識の高い組織”や“業績意識の低い組織”という組織の個性が
形作られることがあるのである。
「縦の統制」を強化しても組織の体質がなかなか変わらないという場合、
リーダーは、この「横の統制」に着目する必要がある。
「横の統制」は、誰かの指揮・命令によってもたらされるものではない。
しかし、「横の統制」に大きな影響力を持つメンバーが存在していることが多い。
例えば、
業績はピカイチなのに報告書の納期を守らないメンバーが影響力を持っている組織では、
皆が揃って報告書納期を守らなくなる、というようなケースがある。
あるいは、その組織での仕事経験の長いスタッフが、リーダー不在時に
“虎の威を借る狐”のように振る舞っている、などというケースもある。
組織を預かるリーダーは、
このような「横の統制」に大きな影響力を持ったメンバー、
言うなればその組織の“影のリーダー”と、その他のメンバーとの関係に
アンテナを張っておかなければならない。その上で「縦の統制」を強行するのではなく、
「横の統制」に変化を生じさせる手を打つのである。
リーダーが打つべき手は様々考えられるが、
基本となるのは、その組織を引っ張り上げるメンバーを育成することであろう。
そのとき、育成対象とするのは“影のリーダー”とは限らない。
「誰」にこだわれば「横の統制」に変化を生じさせることができるのかを、
リーダー自身が見定める必要がある。
そして、そのメンバーを強制的に育てようとするのではなく、
本人が「よし、やろう!」とその気になるように、
粘り強く働きかけることが肝要である。
リーダーとしての自分の「想い」と、本人への「期待」に共感してもらうのである。
「横の統制」に変化を引き起こすことができれば、「笛吹けども踊らず」
というリーダーのフラストレーションも軽減されてくるはずである。